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「雑草は根絶やし、害虫は駆除する」…ミャンマー軍政が大量虐殺を正当化

もはや軍の本分を失った「テロリスト」

市民80人以上が死亡

2月1日のクーデター以来、軍政に反対する市民への実弾発砲を含めた強権的鎮圧を続けているミャンマー軍が4月9日、中心都市ヤンゴンの北にあるバゴーで軍政反対のデモをしていた市民多数に対する武力攻撃を実施、市民80人以上が殺害されるという「虐殺」事件が起きた。

ミャンマーの民主派メディアである「ミャンマー・ナウ」などが伝えたところによると、4月8日から9日にかけて、バゴー市で反軍デモに参加していた市民を軍が包囲。一斉に実弾射撃による攻撃、鎮圧に乗り出したという。

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一部では対戦車ロケット砲や迫撃砲まで使った一方的な攻撃も行われた模様で、デモ隊の退路を断った上での鎮圧などは「もはやこれはデモ鎮圧というより軍事作戦である」というような状況だったという。

また、軍が拘束した男性を裸にしてロープで縛りつけ、バイクで路上を引きずり回すなどという蛮行も伝わってきているという。その後の情報でこの男性は死亡したという。

バゴー市での死者数には各種情報があり、米政府系放送局「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」は10日「80人以上が死亡、200人以上が行方不明」と伝えた。この行方不明者には負傷者が含まれているとみられている。

さらに市内各地で逃げ場を失った子供を含む市民が取り残されており、救出活動が続いているが、軍による監視と妨害で難航しているとの情報もある。

各種報道を総合すると、バゴー市での今回の犠牲者は少なくとも約80人とみられる模様で、これは国軍記念日にあたる3月27日の1日の犠牲者100人以上に次ぐ数字となる。ただ、この時の100人以上はミャンマー国内各地を合計した犠牲者数であり、今回のバゴー市での犠牲者約80人は、一つの町で一日の犠牲者としてはこれまでで最大。軍による「虐殺」が日常化、さらに激化していることを示しているといえる状況だ。

バゴー市内の学校や仏教寺院には市民の遺体や負傷者が多く収容され、僧侶らが負傷者の手当てを申し入れたが軍はこれを拒否したと伝えられている。

そして9日夜から10日朝にかけてほぼ全ての遺体、負傷者はバゴー市内から軍が運び去ったという。どこへ運ばれ、負傷者がどうなったかなどに関する情報はこれまでのところなく、負傷者の安否が気遣われる状況が続いている。

10日以降も寺院などに多くの兵士が陣取っており、携帯電話の回線も遮断されており、一般市民は自宅から一歩も外出できない状況に陥っているという。

 

バゴーは人口約28万人、仏教寺院も多い観光の古都として知られている。ヤンゴンや中部にある第2の都市マンダレーなどでの大規模な反軍デモや抗議活動が軍の武力鎮圧で散発的、ゲリラ的に変容せざるを得ない中、バゴー市では学生や若者を中心に反軍活動が拡大していたことから今回の軍による弾圧に繋がったとの見方もでている。

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