中国女性64%が「結婚が必要と思わない」で出生数減少がさらに加速

経済発展するほど結婚しなくなる
北村 豊 プロフィール

経済が発展すればするほど結婚率は低下

ところで、財経ウェブサイト「新浪財経」は2021年2月23日付で微信(ウェイチャット)公式アカウント「澤平宏観」が発表した『中国婚姻報告2021』を掲載した。当該報告は2020年時点における中国の婚姻実態を詳細に論じているが、上述内容と関連する事項を取りまとめると以下の通り。

(1)中国の婚姻状況は、結婚数が減少し、離婚数が増加し、晩婚数が増大している。新婚年齢は従来20-24歳が主力だったものが25-29歳に取って変わられると同時に、高年齢グループ(40歳以上)が結婚登記件数に占める比率は上昇している。

(2)経済が発展すればする程、結婚率は明らかに低下する。2019年の結婚率は最低の上海市:4.1パミール(‰)から上に、浙江省:5.0‰、、山東省:5.3‰と続き、下から8番目の北京市:6.0‰でも全国平均の6.6‰よりも低かった。これとは逆に、西部の発展途上地域では結婚率が高く、トップ3は貴州省:9.9‰、青海省:9.6‰、寧夏回族自治区:8.8‰であった。

(3)往々にして経済発展が遅れていて、人口流出が深刻な地区では、離婚率が相対的に高い。夫婦が長期間にわたって別居すれば感情的な動揺を来たし、離婚をもたらす重要な要因となる。東北三省の離婚率は、黒龍江省:4.5‰、吉林省:4.5‰、遼寧省:3.6‰であった。

中国が抱える人口関連の最重要事項は、(A)出生人口の減少、(B)労働人口の減少と高齢化、(C)高齢人口の増大の3点だが、いずえも一朝一夕に解決できるものではない。この中で中国共産党と中国政府が一番容易に解決できると考えていたのは(A)の出生人口であった。

出生人口を増大させるべく、2016年に産児制限を「2孩政策」に改善したが、その効果はわずか1年しか持続せず、その後は出生人口の減少に歯止めがかからない状況が続いている。

そうした状態であるにもかかわらず、上記の通り、中国では結婚登記件数が年々減少するのに対して、離婚登記件数は逆に年々増大しているし、晩婚化の進展により新婚年齢の主体が25-29歳となり、40歳以上の高齢結婚も増大しているのである。

高齢人口は自動的に増大するし、労働人口の減少と高齢化の進展は必然であり、唯一政策で改善可能なのは出生人口なのだが、それなら、どうしたら出生人口を増大することが出来るのか。

出生人口が減少する状況を改善する抜本的な対策があるかと言えば、無策で「没辦法(発音:メイバンファー、意味:どうしようもない)」と、頭を抱えているのが中国の実情なのである。

 

中国の初代最高指導者である毛沢東は、中華人民共和国成立直前の1949年9月に『唯心歴史観的破産(観念論的歴史観の破産)』を発表し、その中で「中国の人口が多いのは結構なことで、何倍に増えようとも対策は完全にある。この対策とは生産にほかならない」と述べたが、それから71年後の2021年にその言葉と裏腹な実態が中国に出現していようとは考えてもみなかっただろう。

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