中国女性64%が「結婚が必要と思わない」で出生数減少がさらに加速

経済発展するほど結婚しなくなる
北村 豊 プロフィール

出稼ぎ省、東北三省の悲哀

ところで、上記(3)で言及されていた表の「2020年第1四半期・一級行政区別離結比」をトップ10位まで示したものが次の【表2】である。

2020年第1四半期(1~3月)に第1位の吉林省では、結婚登記件数が2万3325組であり、離婚登記件数が1万6679組であったので、離結比は【16679組÷23325×100】という計算で71.5%となる。

この意味するところは、2020年第1四半期には、吉林省で2万3325組の結婚登記が行われたが、同時期に1万6679組の離婚登記が行われたので、前者から後者を差し引いた実質的な結婚登記件数は6646組でしかなかったということになる。

全国合計の離結比が39.3%であることを考えると、離結比が63.6%以上のトップ4(吉林省、黒龍江省、遼寧省、天津市)は数字が余りにも高すぎると言える。繰り返しになるが、離結比が60%以上ということは、年間に10組の夫婦が結婚登記を行ったとすれば、同一年に6組の夫婦が離婚登記を行うことであり、実質的には4組の夫婦が増えただけとなる。

東北三省で離結比が高い理由は、地元経済の衰退により地元には安定した職場が無いために、老人を除いた働き手の多くが地元を遠く離れた外地への出稼ぎを余儀なくされることにある。

たとえ夫婦でも出稼ぎ先が異なれば、長期にわたる別居生活を強いられることになり、いつの間にか1年に1回会えれば良いという「牽牛と織女の七夕夫婦(たなばたふうふ)」になることで離婚に至るのである。年に1度の逢瀬なら夫婦でいるべき道理はないと言える。

東北三省では人口減少が続いており、2013年から2019年までの6年間の減少量は、黒龍江省:83.7万人、吉林省:60.6万人、遼寧省:38.3万人であり、3省合計の人口減少数は182.6万人であった。

また、2020年の統計が未だ発表されていない現状では最も新しい2019年の統計によれば、東北三省の人口自然増減率は、黒龍江省:マイナス1.01‰(パミール)【=出生率:5.73‰-死亡率:6.74】、吉林省:マイナス0.80‰【=同6.05‰-6.90‰】、遼寧省:マイナス0.80‰【=同6.45‰-7.25‰】であり、三省全てがマイナスを示し、死亡率が出生率を上回っていた。

こうした状況に加えて離結比が65%以上では、東北三省における出生数の増大や出生率の向上は望むべくもないのが現状である。

 

一方、4位以下は天津市、北京市、重慶市と直轄市が続くが。これらの地域で離結比が高いのは、夫婦がそれぞれ独立して生活するだけの収入を得ていることに起因すると思うが、それ以外に直轄市特有の理由があるか否かは残念ながら筆者には分からない。

編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/