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モス、串カツ田中、丸亀が「一斉値上げ」…ウラにある「世界の物資争奪戦」のヤバい実態

日本ではデフレが続いていると喧伝されており、物価は下がっているとイメージしていた人も多い。だが生活必需品は一貫して値上げが続いており、事業者側はそれを悟られないよう価格を据え置いて内容量を減らす、いわゆるステルス値上げを行ってきた。

だが、こうした小手先の対応も今年あたりで限界となる可能性が高い。世界経済はコロナ危機と米中デカップリングが重なり、サプライチェーンが混乱あるいは縮小しており、物資の争奪戦となっている。資材価格や食料価格が急騰しており、いずれ最終製品に転嫁される可能性が高まっている。

始まった物資の争奪戦

今年の4月から小売店や外食などで商品やサービスの値上げが相次いでいる。ファストフードのモスバーガーが主力商品を20~30円値上したほか、居酒屋の串カツ田中も全商品の9割について平均10円程度の値上げを実施。丸亀製麺も「かけうどん(並)」や「ぶっかけうどん(並)を300円から320円に改定するなど一部商品の値上げを行った。

4月は消費税の総額表示義務化のタイミングと重なっており、これが価格改定のきっかけとなっているのは間違いない。だが、値上げの根本的な原因は表示の問題ではなく、全世界的な原材料価格の高騰である。

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小売店で売られる食品も価格が上がっている。食用油などを製造する昭和産業は、消費者向けのサラダ油ハンディやキャノーラ油を3月に値上げしたが、6月にも値上げキロあたり30円の値上げを行う。日清オイリオグループ、J-オイルミルズも4月に続いて6月の再値上げを決めている。

今のところ最終商品の価格には反映されていないが、砂糖は卸価格が上昇中であり、小麦粉については政府の売り渡し価格が4月から5.5%引き上げられた。小麦は国内生産者保護のため基本的に政府が買い付けているが、2007年以降、政府の売り渡し価格は市場価格に連動する仕組みになっているので、このまま上昇が続くとパンなどにも影響が出てくるだろう。

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