恐怖…児童相談所が子どもたちを拉致する「これだけの理由」

児童相談所は拉致する(3)

第1回第2回では、私の息子が児童相談所に拉致されてから、息子を取り戻すまでのいきさつをお話ししました。しかし、拉致された子どもは、私の息子だけではありません。いま、児童相談所による子どもの拉致は頻々と起こっているのです。なぜ児童相談所は子どもを拉致するのでしょうか?

〔PHOTO〕iStock
 

拉致される子どもたち

裁判が続いていたとき、書籍やインターネットを調べているうちに、児童相談所に拉致された子どもは私の息子だけではない、ということを知りました。「児相被害を撲滅する会」という組織まで結成されていました。東京高等裁判所の決定で自宅に戻ることのできた子どもは、私の息子の前に、少なくとも2人はいたこともわかりました。

矢野さんというご夫妻の事件については、支援組織が詳しい経過をインターネットに公開していました。それによると、矢野さんの次女は、生後3ヵ月のとき、虐待を疑った病院が児童相談所に通報した結果、強制的に一時保護され、東京高等裁判所の決定で帰宅するまでに、3年近くかかったということでした。もう一人の子どもは、帰宅するまでに6年もかかっています。

私の場合、息子が強制収容されてから解放されるまでには、1年半を要しました。裁判を続けているあいだの精神的重圧は筆舌に尽しがたいものでしたが、それでも、1年半で息子を取り戻せたのは幸運だったのかもしれません。3年、6年と闘いつづけた親御さんたちの気持は、察するに余りあります。子どもを拉致したのが北朝鮮の行政機関であれ、日本の行政機関であれ、子どもを拉致された親の心情に変わりはないでしょう。

社会学や社会福祉学などの分野では、児童相談所による子どもの強制収容に注目し、人権侵害として問題視する研究者が出てきています。ただ、そうした研究者も、「虐待はしていない」という保護者の言葉を完全には信じきれない場合も少なくないようです。それも無理はありません。子どもを虐待して死に至らしめた親でさえ、「虐待はしていない」と言い張ることがあるのですから。ふつうは、他人の家庭で何があったのか、確かなことは、なかなかわからないものです。

「虐待はしていない」という言葉を多少なりとも信じてもらえるのは、裁判に勝って、子どもを取り戻すことができた場合だけでしょう。しかし、裁判所は児童相談所の主張を頭から信用してしまうので、私の経験からもわかるように、「虐待はしていない」という事実を裁判所に認めさせることは、至難のわざです。よほどの幸運に恵まれないかぎり、裁判で子どもを取り戻すことはできません。

「虐待はしていないのに、裁判で子どもを取り戻すことができない」という話は沢山あるのですが、ほんとうに虐待をしていなかったケースも少なくないはずです。私のように自分から子どもを預けた場合ですら、児童相談所は「虐待」を主張するのですから。

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