あの「インテル」に黄金時代到来か…?「瀕死の状態」からV字回復をとげたワケ

半導体不足のウラでいま起きていること
石原 順, マネクリ プロフィール

そして2つ目は、垂直統合型から水平分業型への転換である。

日本がリードした1980年代までは、設計開発、ウエーハ製造、組み立てからテスト、そして販売に至るまで事業を社内で完結する垂直統合型でのビジネス展開が主流であった。ところが1990年代から2000年にかけて巨額の設備投資がかかる半導体業界において水平分業が拡大する。

米国ではエヌビディア(NVDA)やクアルコム(QCOM)など工場を持たない半導体メーカーは設計開発に注力し、製造は製造受託会社(ファウンドリー)に委託するスタイルに変わっていった。その流れに乗って一大企業となったのが、今をときめく台湾積体電路製造(TSMC)(TSM)である。日本企業はこの水平分業への対応が遅れシェア低下につながった。

 

バイデン米大統領が3月31日に発表した2兆2500億ドル(約250兆円)規模のインフラ計画には、製造業強化のために5800億ドルを振り向ける施策も盛り込まれている。米国の競争力を強化するのに半導体は不可欠であるとして、米国内での半導体製造に500億ドル、全米の研究所の研究基盤向上に400億ドルを拠出することも明らかにしている。

既にバイデン米政権は2021年2月、高性能チップの製造能力を強化するために370億ドルの拠出を提案する「CHIPS for America Act」の成立を発表している。半導体の製造、組み立て、テスト、高度なパッケージング、または研究に関連する国内の施設および設備を構築または更新するために、適格な企業またはコンソーシアムに補助金を提供するものである。

米国政府は、世界的な半導体の需給逼迫を受けて「国産化」を真剣に考え始めた。そこに満を持して登場したのがインテルである。200億ドル(約2兆1700億円)を投じてアリゾナ州に半導体の新工場を建設し、製造受託事業に進出すると発表した。新CEOのもとで、半導体の「国産化」の機運を捉えた賭けに出た。

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