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児童相談所が強制収容した息子を取り戻すための裁判「壮絶な全経緯」

児童相談所は拉致する(2)

前回は、私の息子が児童相談所に強制収容され、行政不服審査でも裁判でも息子を取り戻すことができなかった、というところまでお話をしました。最高裁判所への特別抗告が却下された時点で、私は「すべてが終わった」と思ったのですが、じっさいには、裁判はまだ続くことになりました。

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再び家庭裁判所

児童相談所は、家庭裁判所に再び審判を請求しました。息子を一時保護所から児童養護施設に移そうとしていたのですが、保護者の同意がない場合には、やはり家庭裁判所の承認を得なければならないからです。児童相談所が家庭裁判所に提出した「申立書」によれば、じっさいには、「一時保護委託」という名目で、息子はすでに児童養護施設に移されていたのですが、この措置を正式なものにする必要があったのでしょう。

児童相談所は、前述のとおり、高等裁判所に提出した「反論書」には、「心理的虐待が疑われる」と記していました。しかし、今回の「申立書」では、「心理的虐待」について、「疑われる」ではなく、断定していました。「疑われる」では弱いと考えたのでしょう。その「心理的虐待」の「証拠」も、先の「反論書」では、私が息子を連れ帰ろうとしたとき、息子に「帰ろう」と何度も呼びかけたことだけだったのですが、今回は息子が語ったとされる幾つもの「言葉」が証拠としてあげられていました。

さらに、「監護懈怠(けたい)」という「罪状」も追加されていました。「子どもの世話を怠った」という、いわゆる「ネグレクト」です。その「証拠」も、ほとんどは息子が語ったとされる「言葉」でした。このときまで、高等裁判所でも、家庭裁判所の前回の審判でも、児童相談所の主張は全面的に認められていたので、児童相談所側の弁護士たちは、「どんな主張をしても、裁判所は認めるだろう」と高をくくったのかもしれません。

前回の審判のとき、家庭裁判所の裁判官がとった態度を思い出すと、審判で児童相談所と争っても、到底、勝ち目があるとは思えませんでした。そこで、私は児童相談所の所長に書簡を送って、和解を試みました。

 

一時保護所や児童養護施設に収容されると、子どもは親から完全に隔離されてしまいます。息子は小学校を卒業するとき、卒業式にすら出席させてもらえませんでした。こうして隔離された状態が何年続くのかわからないので、児童相談所の所長に送った書簡では、「面会と手紙のやりとりを許可し、私が息子を虐待したという主張を取り下げるのなら、児童養護施設への収容に同意する」と提案しました。しかし、返事は来ませんでした。

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