事実でも「比較されている」と感じることも

実際に生きていく上では必ず周囲に他者はいます。幼児期の成長の進度は子どもによって様々です。子どもが社会性を身に着けるためには、他者との集団生活が不可欠ですが、その状況にいると常に他の子が目に入り、どうしても比較してしまう。その気持ちはとてもよくわかります。

ただ、「友達の奥さんは料理がすごく得意らしいよ」「あそこの旦那さんは、毎日洗濯と掃除をやってくれるんだって」と言われるだけで、大人でも比較されてけなされているような気持ちになりますよね。事実を伝えているだけでも、比較されているような気持ちになる場合があるので要注意です。

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モチベーションを高めるためには、他者も必要ですし、ライバルも必要な場合もあります。しかし、他者基準だけだと、周りに左右されて、自ら成長し高めていくということができなくなってしまいます。

これから子ども達が生きていく中で、入学試験、就職試験など他者との比較によって評価をされる機会もあります。しかし、これらの機会を、「他者より少しでも良い評価をもらうための機会」と捉えるか、「高めた自己を表現し認めてもらう機会」と捉えるかにより、成長の度合いは変わるでしょう。

わが子を、常に自分で目標を定め、自分自身と戦いながら自分を高めていける人にするためには、横ではなく縦で認め褒めることが大事なのだと思います。その結果、自分自身を認めることができるようになり、失敗を恐れずにリミッターを外してチャレンジできる人になっていくのではないでしょうか。

これからの時代は、より多様性が重んじられる社会になり、異なる価値観や経験を持つ人たちが、同じ目的のために働いたり、チームで協力し合ったりすることが求められるようになります。他者と比較し、自分のできないところに卑屈になるのではなく、各々が個を際立たせ、他者を認め、自分が貢献できるところで精いっぱい力を発揮することが大事だと思います。

「個」を大事にしたい、と言いつつ「他者との比較をする」というダブルスタンダートの育児から脱却し、「横ではなく縦で褒める」を実践していきましょう。