舞台挨拶で「いないのは春馬だけや」

4月5日は、2020年7月に急逝した三浦春馬さんの誕生日。春馬さんの故郷・茨城県土浦市の「土浦セントラルシネマズ」では4日~6日、春馬さんの最後の主演作『天外者』と、少年時代に主人公を演じた『森の学校』の上映に合わせ、両作品の監督を招いて舞台挨拶があった。

土浦生まれの筆者は5日、土浦セントラルシネマズを訪ねた。『森の学校』の西垣吉春監督は、春馬さんが通った芸能スクールの元会長・加藤麻由美さんと登壇し、こう語った。

「三浦春馬くんを、どうやって見い出したんですかってよく聞かれるんです。ひとえに、出会いやと思う。京都の撮影所で加藤さんに出会って、子供たちの試演会を土浦に見に行きました。これも出会いですね。その時、仕事があれば行っていないので、春馬君と出会うことも、抜擢することもなかったかもしれない。

春馬くんは、すばらしく演技がうまいんですが、『森の学校』に出演した他の子供たちも、頑張ってくれました。子供は、いいね、いいよ、とまずほめること。ちょっとずつほめていくと、あんなに上手になるんですね」

その子役たちも、大人になって芸能活動をしたり、留学して働いていたり。「それぞれに頑張っていて、嬉しい」と笑顔で報告した西垣監督。

「いないのは春馬だけや」

そうつぶやくと、涙で言葉に詰まった。会場のおよそ300人のファンの間に、すすり泣きが広がった。

春馬さんの思い出を話す西垣監督。涙で言葉に詰まる場面もあった なかのかおり撮影
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「男は人前で泣いたらあかんぞ、っていつもいうんですけど、今日はだめですね……。皆さんの応援のおかげで、『森の学校』が復活しました。ありがとうございます」

それから監督は質問に答えたり、パンフレットにサインをしたり、一人ひとりのファンと丁寧に向き合った。

(c)2002森の学校製作委員会
【『森の学校』あらすじ】 霊長類学者・河合雅雄さんの少年時代の体験をもとに描いた小説『少年動物誌』が原作。昭和10年代の丹波篠山を舞台に、やんちゃな子供たちが、周りの大人に叱られながら、自然の中で遊ぶ。春馬さん演じる雅雄さん(マト)は、体が弱くてよく熱を出す。彼を癒すのは、大自然だ。セミや魚を追いかけ、野を走り、木に登って、けんかして…。動物や友達、祖母とのかかわりを通して、生と死・出会いと別れを経験する。子供は、大家族や地域の人に支えられて、心身が育つもの、と気づかされる――。