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中国「サッカーバブル」ついに終焉か…? “金満経営”が崩れていった“深刻すぎる”ワケ

「王者不在」の“異常事態”に

2020年中国スーパーリーグ(CSL)王者・江蘇FCが2月末にクラブ運営停止を発表。3月18日にはアジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場辞退、29日にはCSL脱退も正式に決定した。

もしJリーグで例えるならば、2020年J1王者の川崎フロンターレが優勝からわずか3カ月でリーグから消滅してしまうということだ。どれだけ前代未聞の事態か分かるだろう。

「江蘇省というのは、中国全土でもGDP2位を誇るリッチな省。その地にホームを置く王者が消滅したことで、中国サッカー界に激震が走っています」と長年サッカーを取材する「騰訊体育」の応虹霞記者も危機感を募らせる。

中国サッカー界の“爆買い”

そもそも江蘇FCが金満経営を始めたのは、2016年に中国大手小売業の蘇寧グループが経営に参画してから。彼らは総額70億元(約1170億円)を投じてラミレス、アレックス・テイシェイラ、ジョーといったブラジル代表クラスのビッグネームを買い漁り、2017年にはイングランド、ロシア代表などを率いたイタリアの名将ファビオ・カペッロ監督を招聘するに至った。

アレックス・テイシェイラ(photo by gettyimages)
 

「蘇寧グループは3年でCSL優勝、5年でACL制覇という目標を掲げましたが、結果的にはCSLのタイトルを獲得するまで5年もかかってしまった。というのも、他のビッグクラブがもっと巨額投資をして戦力を整えていたからです。

その筆頭が広州恒大と上海申花。両者は5年間で120億元(約2000億円)というケタ外れのマネーを投じましたし、北京国安も90億元(約1500億円)をかけて強化に乗り出したといわれています。江蘇蘇寧(江蘇FC)は少し出遅れる形になったんです。

それでも、2020年はコロナ禍での特別なレギュレーションも幸いして、頂点に上り詰めることができました。それ自体は喜ばしいことですが、タイトル獲得は選手の年俸引き上げに直結します。クラブはさらなる資金が必要になりますが、蘇寧グループはこれ以上の投資に難色を示していました。昨年末の段階で2000万元(約3億3400万円)という優勝賞金も出せないほどの資金難に直面していたといいます」(同)

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