50代・実家住みの娘2人が「外で働かない」…88歳の父親が抱える深刻な苦悩

これまで、甘やかしてきたが…
畠中 雅子 プロフィール

敏夫さん夫婦の公的年金は、2人合わせてひと月30万円程度。廃業後は、公的年金を受け取って貯蓄を取り崩しつつ、生活していくことになります。この先も孫たちの教育費を負担すると考えると、使える貯蓄は夫婦2人で3500万円から4000万円ほどなので、取り崩す額は、月に10万円程度に抑えたいところです。

一般的には、「ひと月に30万円もの公的年金をもらえれば、赤字を出さないどころか十分余裕をもって暮らせるのではないか」と感じる方も多いはずです。しかし山下さん夫婦の場合、負担するのは夫婦2人分の生活費だけではありません。

これから娘さん2人から生活費を徴収するとはいえ、大家族で暮らす自宅の公共料金や9人分の食費がありますので、30万円だけでは、赤字が出るのは避けられないでしょう。

しかし仮に赤字が出たとしても、貯蓄の取り崩しをひと月10万円程度までに抑えられれば、ご夫婦が100歳を迎えても、資産が底を突く心配はないと計算できます。

ただし、将来的に介護が必要になった場合は、支出も増えていきます。特に介護付有料老人ホームなどに住み替えるとなると、入居一時金や月々のランニングコストがかかります。そうなったら、病院の土地を売却して不足分に充てるのが現実的だということも、あわせて敏夫さんに伝えました。

Photo by iStock
 

やはりその場合でも、美代子さんと貴子さんに経済的な自立を促す必要があります。そのうえで専門家の手を借りつつ、段階的に病院を閉鎖、場合によっては売却し、敏夫さんと秀子さんがいなくなってからも、2人とその家族が安心して暮らしていける仕組みを整えることが重要でしょう。

編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/