50代・実家住みの娘2人が「外で働かない」…88歳の父親が抱える深刻な苦悩

これまで、甘やかしてきたが…
畠中 雅子 プロフィール

美代子さんと貴子さんともに厚生年金に入っているため、老後にはひと月10万円前後の年金はもらえそうです。しかし、それだけで老後を乗り切れるとは到底思えません。最終的には、公的年金と貯蓄の取り崩しで、老後を乗り切るとしても、少なくとも年金をもらえる65歳までは、自力で稼ぐしかないのです。

長男が病院を継げない理由

このような事情を抱えた敏夫さんは、これからどうすればいいか不安に思い、妻の秀子さんとともに筆者の元を訪れました。「今後病院をどうすべきか」という問題は基本的にはご家族のものであり、口を出すのはFPとしてはいきすぎたアドバイスかもしれません。

しかしもっとも現実的な選択肢として浮かび上がるのは、医師になった長男の文彦さんに病院を継いでもらうことです。そこで敏夫さんに「文彦さんは、ご実家の病院を継げないのですか?」とうかがいました。

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すると文彦さんは意外な事情を抱えていたことが判明したのです。彼はこれまで2度の離婚を経験していて、現在は再々婚した3人目の妻、子どもと暮らしています。今の家庭で生まれた子はまだ幼稚園児でこれから教育資金も必要なうえ、前の2人の妻との間にもそれぞれ子どもがいて、その子たちの学費も負担していました。

そのため、医師として十分に稼げる職場で働いて、養育費をねん出しなくてはならないそうです。今は都市部の病院で働いており、給料もかなりもらっているため、敏夫さんは「赤字経営の病院は引き継げない」と言われているそうです。仮にこのまま実家の病院が廃業になったとしても、文彦さんは「異議なし」とのことで、事業の承継は難しそうです。

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