# 飲食店

「いきなりステーキ」が、会員1500万人を敵に回してまで「肉マイレージ」を改悪したウラ事情

白岩 大樹 プロフィール

「1500万人に年間35億円」という試算

その後、同社は厳しい局面に追い込まれることとなる。

過度な出店による自社競合がその要因と発表しているが、先に挙げた3つの点((1)70%に迫る高原価率によるコストパフォーマンス/(2)立ち食いスタイルによる低家賃(固定費率の軽減)/(3)肉マイレージによるリピーターの囲い込み)を自らの手で崩してしまったことも大きく影響していることはいうまでもない。

特に(1)については1号店の出店時はリブロースステーキが1g=5円だったが、2021年3月時点で1g=7.59円と1.5倍も値上をしていた。

この窮地を脱することを目指す上で決して軽視できない大きな足枷となっていたものがある。それが肉マイレージ会員へ提供される特典だった。2020年12月1日現在、肉マイレージ会員は1500万人にまでに膨れ上がっていたからだ。その数は単純計算で人口の10%を優に超えていた。その会員へ提供する特典はいくらなのか?

ためしに以下のようなシミュレーションをおこなった(※社内報 2020年12月1日現在の会員数をもとに試算)。

(詳細は記事内の表を確認していただきたいが)各ランクの会員の65%が、1年に1回の誕生日特典を使用した場合、それだけで年間で約35億円のコストを支払っていた計算になる。これが合っていれば2019年12月期の売上675億円の5%を超えることになる。あまりに会員を多く集め過ぎたのではないだろうか?そう思い、売上規模とポイントカードの会員数の相関について他の主要企業と比較した。

ANAやヨドバシカメラなどと比較すると、売上675億円で会員1528万人のいきなりステーキは、明らかに売上規模に対する会員数が多過ぎることが分かった。おそらくはここまでの会員数を管理するシステムを維持するとなれば、これについても看過できないコストになっていたことだろう。

 

関連記事

おすすめの記事