〔PHOTO〕gettyimages

「半導体供給網」の国内回帰に向けた投資が世界的に加速する理由

コロナ禍特需が新たな地政学を映し出す

米インテルが2兆円なら台湾TSMCは10兆円

自動車産業をはじめ世界的な半導体不足が続く中、その生産設備の増強に向けた各国・地域の投資合戦が過熱している。

世界最大の売上高を誇る半導体メーカー、米インテルは先月23日、200億ドル(2兆円以上)を投じてアリゾナ州に生産工場を建設すると発表。それから1週間後の先月31日、今度はバイデン政権が国家的なインフラ強化策の一環として、半導体メーカーによる国内生産工場の新設・増強などへの補助金500億ドル(5兆円以上)の予算を議会に求める計画を明らかにした。

〔PHOTO〕gettyimages

このように、米国がいわば国を挙げて半導体生産の国内回帰を目指す中、台湾では今月1日、世界最大のファンドリ(半導体の受託生産会社)であるTSMC(台湾積体電路製造)が今後3年間で1000億ドル(10兆円以上)を投じて工場新設など生産設備の増強を図ると発表した。

対する米国にはインテル以外にもグローバル・ファンドリーズ(GF)という半導体の受託生産会社があるが、その事業規模はインテルやTSMCに比べれば小さい。またエヌビディアやクアルコムなど米国の有力な半導体メーカーは生産設備を持たないファブレス・メーカーだ。

したがって、GFによる投資額を含めたとしも、台湾メーカーのTSMC1社だけで米国全体の半導体生産に向けた投資額を上回ることになるだろう。

 

さらにEU(欧州連合)も今後、域内生産する半導体の世界シェア2割を目指し、これを中心にデジタル分野への新規投資として、新型コロナ復興基金7500億ユーロ(100兆円弱)の2割に当たる1500億ユーロ(19兆円以上)を投じる計画だ。

編集部からのお知らせ!

関連記事