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なぜここまで独自の進化を遂げたのか?「京都中華」の大いなる謎

「東坡肉」に見る食の異文化交流

「さくらの東坡バーガー」という不思議な料理

京都は例年より早く、少し静かな桜の季節を迎えている。知恩院、円山公園、平野神社など人がひしめき合うような桜の名所も、今年は新型コロナウイルスに伴う外出自粛などの影響で、ちょっと時間をずらせばあまり人ごみに巻き込まれずに楽しむことができる。

この季節に京都の街を歩いていると、桜にちなんだ多くの季節限定商品を目にする。京都だけに和三盆や羊かんなど和のものが多いが、立ち寄った中華料理屋「マダム紅蘭」にも桜限定メニューがあった。それが「さくらの東坡(とうは)バーガー」だ。

この「東坡」とは「東坡肉」、つまり豚肉の角煮のことだ。もともとマダム紅蘭では東坡バーガーを提供しているが、3月から4月までの限られた季節だけ桜の葉を使い、バンズもほんのりと桜色が入った特別版になる。

今回はこの不思議なバーガーの成り立ちを辿りながら、場所と時代が持つ磁場によって変わる料理の面白さを紹介したい。

マダム紅蘭の季節限定「さくらの東坡バーガー」。ちなみに同店はミシュランのビブグルマンにも選出されている

明太子スパゲティやスープカレーなどの例を挙げるまでもなく、日本人は外国の料理を「改造」して、まるで元々自国の料理だったかのように取り入れることにあまり抵抗がない。京都の中華料理もひとつの大規模な改造だといえるだろうか。

2012年に出版された姜尚美氏による『京都の中華』(文庫版は幻冬舎刊)で紹介されたことで脚光を浴びたように、京都の多くの中華料理店では、いわゆる定番メニューが他の地域で見たことがないような変化を遂げている。

 
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