今後10年間で、日本経済を襲う「本当にヤバい事態」…中国資本が進出し、格差はさらに拡大するか

中原 圭介 プロフィール

また、野村総合研究所の調査によれば、2019年の日本における超富裕層(金融資産5億円以上)は8万7000世帯(2011年比で74%増)、富裕層(金融資産1億円以上5億円未満)は124万世帯(同63%増)と増加しました。

その一方で、金融広報中央委員会の調査によれば、2019年の時点で単身世帯の38%、2人以上世帯の23.6%が貯蓄がない、いわゆる無資産層です。給与の面でも、厚生労働省の『賃金構造基本統計調査』(2019年調査2020年9月訂正)をもとにした推計では、平均賃金は約410万円なのに対して、中央値は357万円と、平均値と中央値の差は、日本でも広がり始めました。 ※2

2020年の時点で、世界に2200人ほどいるビリオネア(資産10億ドル以上の人)のうち、30%以上にあたる700人以上が住む米国では、平均賃金が5万1916ドル(約566万円。2019年の平均TTB換算 ※3)なのに対して、中央値は3万4248ドル(約373万円。同前)と、1.5倍以上の開きが生じています(数値は2019年実績値。2019年米・社会保障局)。

4年連続でフォーブス誌の世界長者番付1位に輝いた、Amazon創設者のジェフ・ベゾス氏[Photo by gettyimages]
 

2012年、既に世界の格差が広がりつつあることを示した「エレファント・カーブ」は、1988年から2008年までの20年間で、先進国の高所得者層と、新興国の中所得者層が大きく所得を伸ばしている一方で、先進国の中所得者層が所得を減らしている、という現実を示して大きな注目を集めました(※4『その後の日本の国難』P127〜参照)。

新興国中間層が、象の背中にあたる盛り上がりを、また先進国富裕層が、高く上げられた象の鼻を示すとされました。これからは、新興国、先進国、おしなべて世界の中所得者層の所得の伸びにはブレーキがかかり、更に所得を伸ばす富裕層の高まりが、コブラの頭のように見える曲線へと変わりつつあります。負け組が8割近くを占め、“中流”は消失し、日本の中央値が200万円台半ばに迫るような深刻な二極化が進んでいく可能性さえあるのです。

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