今、イギリスは何を考えているのか? インド太平洋に帰ってきた「歴史的背景」

2021年3月16日に英国政府が発表した「競合する時代のグローバルな英国」(“Global Britain in a Competitive Age”)は、ブレグジット後初めて英国が示す安全保障・防衛・外交政策文書です。

この文書ではインド太平洋地域におけるコミットメントの拡大を比較的大きく取り上げているので日本でも関心が高く、すでに多くの方に論じられています。

内容の前にまず原題にある‘competitive age’とは何と競合する時代なのか、ということになるのですが、それは米国の覇権による一極構造の時代から、ロシア、EU、中国、インド、そして日本などが並立する多極構造と「大国間競争の時代」で英国がどのように生き抜くのか、という問題認識を示しているのでしょう。

「Global Britain in a Competitive Age」
 

英国がEUから離れてどのような外交・安全保障のアプローチを取るのか、インド太平洋地域にコミットするというが実際にはどのような政策をとるのか、米国・英国・豪州・カナダ・ニュージーランドのインテリジェンス・コミュニティ、通称「ファイブ・アイズ」は何に関心を持っているのか、(フランスなど他の欧州諸国もそうなのですが)英国は日米豪印「クアッド」に関しどのような形で関与しようとしているのか、日本から見て重要なポイントとなります。 

そこから少し視点を変えて英国の近現代史やシーパワーの観点からこうした動きを見てみると、「かつて『日の沈まぬ帝国』であった英国が、半世紀ぶりにインド洋とアジアに帰ってくる」、ということを意味するのではないでしょうか。今回は歴史的な背景なども交えて英国の安全保障政策や軍事戦略をみてみようと思います。

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