幼い子供たちが大好きな「きかんしゃトーマス」。子供と一緒にトーマスのTVアニメを毎日何度も観てすっかりハマり、果てしなく続く線路を作り続けた経験のある親は少なくないだろう。

実は、「きかんしゃトーマス」には子供の「非認知能力」を伸ばす効果があるのだという。同作の教育的効果を研究している「東京学芸大こども未来研究所」の小田直弥先生に、非認知能力の育て方、そして現在公開中の新作『映画 きかんしゃトーマス おいでよ!未来の発明ショー!』に込められている“次世代へのメッセージ”について教えてもらった。

小田直弥先生
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「非認知能力」は持ち家率・収入の向上にも影響

――文字の読み書きや計算など学習を通して獲得できる能力を「認知能力」と呼ぶそうですが、「非認知能力」とは何なのでしょうか?

小田先生:非認知能力は、「いまは我慢しよう」と自分の感情をコントロールしたり、「お友達と一緒に問題を解決しよう」と他人と主体的に、協調的に関わったりする「主体性」「協調性」などを指します。2000年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの経済学者J.ヘックマンらの研究によって世界的に注目されるようになり、犯罪率の低下や、持ち家率・収入の向上に影響を与え、将来の安定につながる可能性が示唆されています。

非認知能力のベースは3歳ごろまでに作られるとも言われており、幼い時に身につけるほどよい影響が長く続くとされています。

――具体的には、どのように身につけるものなのでしょう?

小田先生:例えば、子供の日々の“気づき”に対して「それって良い気づきだね」などの“共感”を伝えることですね。それにより、子供は「自分はママやパパにとって大事な人間なんだ」という“自己肯定感”を感じます。子供たちはそこから、他者への思いやりを育むことができ、現実世界の様々な場面で、例えば主体的に「お友達と協力して問題解決をしてみよう!」という気持ちになれる。

非認知能力については、おそらく大人が教え込むことができるものではありません。子供が非認知能力を発揮できるような環境を整え、子供に寄り添うことでゆっくりと育まれていくと予測されます。