夫と私を「親」にしてください

「私の友人(女性)から、長年不妊治療を続けてきたけれど年齢的なこともあって治療を断念し、特別養子縁組に踏み切ったという体験を聞きました。この決断にはご主人が最後まで悩まれたそうですが、実際に児童相談所に子どもたちに会いに行くうちに、むしろご主人の方が積極的になり、養子として女児を迎え入れることに。

ご夫婦の娘になった女児が、その家になじめるか過程を踏むなかで、妊娠をあきらめたときに飼い始めた犬がキューピッド的存在になり”本当の家族”になれたと嬉しそうに話してくれました」と語るのは、あしだかおる作の漫画『セカンド・マザー~特別養子縁組という選択~』の担当編集・金田さん。

本作は、妻44歳、夫43歳の結婚10年目の夫婦が、8年間という長い不妊治療に終止符を打つが、親になることを諦めきれず、「特別養子縁組」で親になるまでの試練を描いている。

「あしだ先生には、私の友人と同じような体験をされたママ友さんたちに直接会っていただき、生の声を聞かせていただきました。そのため、主人公の葛藤や決断、過酷な現実にはリアリティが伴っていると思います」

作品の中には、子どもを虐待した親が逮捕されたというニュースを見て、主人公が「どうして育てられない人のところには授かって私のところにはきてくれないの?」と呟くシーンがあり、こういった場面からも金田さんの言うリアリティが感じられる。

「女性であれば友人、職場の同僚、親戚など、不妊で悩んでいる人が身近にいたり、『産むか産まないか、子供を持つか持たないか』という人生の選択にぶち当たることがあると思うのですが、社会的な問題としてこれは必要なジャンルであると思い、この作品が誕生しました。家族の在り方が多様化する今こそ、読んでいただきたい」と語る。

ちなみに、先述の金田さんの友人が養子縁組した女児は当時2歳だったが、今は小学3年生になり、バレエのレッスンを頑張っているそうだ。