大切なのはともに考えること

この調査が行われたウガンダの生産者グループの一部は、フェアトレード認証を獲得しており、調査結果を受けて、ジェンダーの平等に向けた様々なワークショップが行われました。 

ただし、ジェンダーの平等のためには、女性のエンパワーメントのみをすればよいのではなく、男性にも女性の役割や、女性に対する不平等な扱いと男女の固定的な役割分担がもたらす結果について、共に考える機会が必要です。このプロセスは、古くから伝わってきた男尊女卑の観念への介入となるため、注意深く行う必要があります。 

多くのコーヒー生産国において、コーヒー栽培は小規模農家の重要な収入源であるからこそ、コーヒーのバリューチェーンにおいて女性の役割を明確にし、コーヒーによる収益から女性が男性と対等な対価を得るような仕組みを作り上げることが必要なのです。そのような意識改革が進み、女性がさらにコーヒー栽培に興味を持てば、結果的にコーヒーの品質や収穫量も改善されていくはずです。  

女性たちを単なる労働のコマとしてだけではなく、一緒に経営をする対等の関係としてみなす。そこからのスタートだった 写真/『コーヒーから読み解くSDGs』より
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コロンビアの女性グループの成果  

先に挙げたFNCは2013年に、コロンビアのコーヒー生産者に残るジェンダー不平等を農協と協力して改善するために、「ジェンダー平等プログラム」をスタートさせました。 

2019年8月の時点で約800名がこのプログラムに参加しています。 参加者のうち約70%は既婚女性で、残りの約30%には離婚経験者や寡婦が含まれます。既婚女性の家庭ではかつて、意思決定権は完全に男性にありました。 男性優位社会であるコロンビアでは、女性はコーヒー生産に参加していてもビジネスや販売に関わることができず、様々な農園での仕事に加え家事もこなしていても、完全に無給であるのが当たり前でした。 また、家庭内でお金を握る男性は、飲酒など自分だけの目的に収入を使いがちで、家族の生活費を使い込んでしまうことも多々あります。 

このような社会構造は、男性による女性へのドメスティック・バイオレンスや、男性が亡くなってしまうと家族の生計が立ちいかなくなるという事態にもつながっていたのです。