「ほいくえんに行きたくない…」子どもが泣きながら拒否するワケ

保育の質を問う(3)
小林 美希 プロフィール

「認可保育園なんて、名ばかりだ」

待機児童対策で保育園の建設ラッシュが始まると、どこの園でも保育士確保が困難になった。新卒の保育士は争奪戦で、初任給の引き上げ合戦も起こる売り手市場だ。

そうしたなか、保育士が安易に辞めてしまって他の園に転職しがちにもなる。急な退職にでもなれば、派遣会社に頼まざるを得ず、費用もかかることから、裕子さんの子が通う園では経営側が園長に「とにかく保育士を辞めさせないように」と命じていた。

担任の保育士はお迎え時、「今日も変わりありません」「元気に過ごしていました」しか言わず、保育園で1日どんな様子で過ごしているか全く分からなくなった。保育士が子どもに乱暴したり、泣いている子が長時間放置されているのを見かけた保護者が園長に注意するよう求めても、園長はなんら指導することもなかった。

 

園長に苦情を言っても、園長は「一番、お子さんのことが分かっているのが担任」と言うばかり。保護者対応をしたくないのか、園長は「残業は致しません」と言って、定時ぴったりに帰ってしまうため、保護者が園長に会うこともなくなった。

こうした状況に耐えきれず、あと1年で卒園というところで裕子さんは、転園を決めた。周辺の保育園には空きがなく、やむなく幼稚園に通うことにしたのだった。裕子さんは、「認可保育園なんて、名ばかりだ」と、感じている。

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