「ほいくえんに行きたくない…」子どもが泣きながら拒否するワケ

保育の質を問う(3)
小林 美希 プロフィール

骨折などの事故が急増中

実際、全国的にも認可保育園での保育事故は増えている。内閣府は、「治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故等」を集計しており、骨折などの事故が急増している。

「骨折」(切り傷やねんざ等の複合症状を伴うものを含む)は2015年の266件から2019年は676件に増え、「その他」(指の切断、唇、歯の裂傷等を含む)は同69件から194件という増加ぶりだ。次々に保育園が開園されるものの、人材育成が追い付かずに保育士が子どもを十分に見守ることができない状況がうかがえる。

年齢別の負傷等の件数は、認可保育園では0歳(3件)、1歳(34件)、2歳(78件)、3歳(138件)、4歳(198件)、5歳(306件)、6歳(124件)で、年齢が上がるにつれ事故が増えている傾向があり、保育士の配置が手薄になるほど事故が増える傾向がある。

保育士の配置基準は、0歳児の場合は子ども3人に保育士1人の「3対1」、1~2歳児で「6対1」、3歳児で「20対1」、4歳児以上で「30対1」となっている。新卒採用で経験の浅い保育士がいきなり1人でクラスを担任するケースもあり、保護者の心配は尽きないだろう。

 

裕子さんの家庭は夫婦ともに自営業のため、就労状況を何度も自治体の保育課に説明するなどして苦労して入った認可保育園だった。待機児童が多いなか、認可保育園の席を確保するのに有利なのは夫婦ともにフルタイム勤務の正社員。自営業は時間に融通をつけられるから保育の必要度が低いと見られる傾向があり、不利なことが少なくない。

地元で評判の良い保育園に入園でき、園長は保護者の目線になって「おかえりなさい。今日も忙しかった? お疲れ様」と、気軽に声をかけてくれ、育児の相談もしやすく頼れる存在だった。担任の保育士も日々、細かな子どもの様子を伝えてくれ、信頼関係が築けた。

ところが、園長が異動して新しい園長に代わるとまるで「天国から地獄」。みるみる保育の質が落ちていった。

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