意外と知らない…空前の「ショートショートブーム」が起こっている「これだけの理由」

飯田 一史 プロフィール

『54字の物語』や『純猥談』のように企画自体がバズっているものは、文字数が短く、期間ごとに「お題」「テーマ」が設定されており、一般的な小説投稿と比べると圧倒的に参加ハードルが下げられていることが要因だ。

2020年から21年にかけて爆発的なヒットを連発しているYOASOBIの楽曲は、短編小説投稿サイトmonogatary.com発の作品を原作としたものだった。同サイトは短編であればどんな作品でも投稿可能だが、同時に「お題」が毎日運営から提示されるという特徴がある。

短文であることに加えてお題が提示されるおかげで、言ってみれば誰でも「書けそうな気がする」ものになっている。

にもかかわらず、人気になれば本に自作が収録されるというチャンスもある。これが投稿意欲を刺激する。

 

このように「テーマ+時限性(短い締め切り設定)+短文」という三重の縛りを設けることで、参加者にとって共時性のある創作イベントになることも重要だ。

スマホ向けのゲームでは「期間限定イベント」が開催され、プレイヤー間の順位を競わせたたり、その期間にしか手に入らないアイテムを目指して「走る」(熱心にプレイする)ことを促すが、そういうものに近い。

あるいはTiktokやInstagram上で行われている「○○チャレンジ」に近い。参加ハードルが低く、お祭気分が味わえ、目立てる可能性があると参加者に思わせる。

つまりこれらのショートショート企画は、たんに小説を書いたり読んだりするよりも「体験性」が際立つものになる。

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