40年間やせられなかった女性が3ヵ月でマイナス15キロを達成するなど、これまでのべ1500人の生徒の98%がダイエットに成功してきたというダイエットスクールを主宰するのが、七瀬葉さん。自身も20代で過食症に苦しんだ経験から編み出したのは、「食事制限や運動からスタート“しない”ダイエット」。なぜなら「多くの人は、ダイエットのスタート地点を間違っているんです。出発点を間違えているので、どんなに食事制限や運動を頑張っても“ダイエット成功”というゴールに辿り着けずにいるのです」と七瀬さん。
「私自身もそうだったのですが、ダイエットを頑張っているのになかなかやせられない、という女性には、特有の“思考のクセ”があります。こじらせた思考を解きほぐしてリセットしてからでないと、どんな方法でダイエットしても、なかなかやせられなかったり、やせてもリバウンドしてしまったりするのです」
体型キープが上手な人と、なかなかやせられない人。食事シーンに現れるその決定的な思考の違い、そしてやせられる思考・行動への変換法を、数々のダイエッターを見てきた七瀬さんに教えてもらおう。
ダイエットコーチ。佐賀県出身。20歳で上京し、東宝芸能にてダンサーとして舞台などで活動するなか1年間で最大18キロ増も経験。過食症と戦い続け、心とカラダのバランスをとることの大切さを痛感し、ボディメイクの道へ。ピラティスインストラクター、ストレッチトレーナーの経験を積み独立。2015年、東京にて「美姿勢ダイエットスクール」を開校し、地方から新幹線や飛行機で通う生徒もいるほどの人気スクールに。初の著書『「ダイエットこじらせさん」が今度こそやせる本』(講談社)が大きな話題を呼び、セミナーなどでも活躍中。
頑張ってもやせられない思考(1)
「○○ならヘルシーだから」
やせなくては、と思っている人の多くが「ヘルシーな食事を」と心がけているのではないでしょうか。ダイエット情報をまめにチェックし、「この食材はヘルシー」と聞けばすかさず取り入れてみたり。それなのになかなか結果が出ない!
要注意なのは、その思考のベースが「だってたくさん食べたいから」になっている人です。どんなにヘルシーと言われる食材でも、「お腹をいっぱいにすること」を目的に食べていては、お腹は満たされても心が満たされません。「グルテンフリーだから」「食物繊維たっぷりだから」「糖質オフスイーツだから」と食べていて、その食事、心から楽しめているでしょうか? 心が満たされないと、結局「ヘルシーだから」を言い訳に、「たくさん食べること」が習慣化してしまいがちです。
私自身、20代の過食症に苦しんでいた頃は、思えば干し芋とハチミツを過剰摂取していました。「ナチュラルフードだからヘルシーでしょう?」というのが自分への言い訳でしたが、心を満たせないフードは、一見ヘルシーでもジャンクフードです。
その後、「寝る前にどうしても何か食べなくては気が済まないんです。ナッツならいいですか?」と言うダイエッターさんにお会いしたことがあります。たしかにおやつのナッツは、ポテトチップスやカップラーメンを食べるよりヘルシーだと思います。けれど、「お腹いっぱいになるまで食べないと気が済まない」という時点で、たとえナッツでもジャンクフードになってしまっています。