先日、僕はブリトニー・スピアーズに関する記事を書いた。それは彼女が長年に渡りメディアから受けてきた扱いについて、この20年間の記憶をたどりながら書いたものだ。

テレビのインタビューで「あなたは処女ですか?」と訊かれるなど、ブリトニーを取り巻くメディアのあり方は女性蔑視的であったと思う。彼女のファンとして、そして一人の男性として、そういった風潮に慣れてしまっていたことを一度省みたかったのだ。

ただ、その記事が出た際、ある反応をちらほらと見かけた。それは、「男性も童貞いじりをされる」というもの。

そうした意見をいくつも目にし、男性が味わう息苦しさも男性ライターとしてきちんと記事にしようと思った。そして、その息苦しさが女性蔑視といかに表裏一体であるかについても。

「あなたは童貞ですか?」

海外のインタビューで、ブリトニー・スピアーズが処女かどうか訊かれているのを観たのは2002年のこと。そしてそれよりも前に、ほぼ全く同じ質問をテレビのインタビューでぶつけられた男性スターがいる。マイケル・ジャクソンだ。

1993年2月、当時34歳だった彼は、アメリカの人気司会者オプラ・ウィンフリーによるトーク番組に出演。その中で父親からの虐待や整形疑惑など、数々のゴシップに関する質問に真っ正面から答えている。
ちなみに、マイケルの少年に対する性的虐待疑惑が報じられるのはこの半年後なので、彼に性体験の有無を質問したのはその疑惑を問いただす目的があったわけではない。
そうした流れの中で彼はこう聞かれた。「あなたは童貞ですか?」と。

このハラスメント極まりない問いかけに対してマイケルは動揺しつつも、自分はジェントルマンだと答え、性体験の有無については一切の回答を拒んだ。

さらにこの2年後、ダイアン・ソイヤーがインタビュアーを務めたテレビ番組内で、前年に結婚した妻リサ・マリー・プレスリーと「セックスをしているのか」という質問をされている。その際は、隣に座っていたリサがはっきりと「はい」と返事をしており、間接的にマイケルもそれを認めていた。

マイケルの性的虐待疑惑はこのインタビューの前年の1994年に被害者側が告訴を取り下げたことで終わりを迎えていたが、このときの質問は先ほどと違い、この疑惑を踏まえてのものであることが窺える。だからリサもはっきりと肯定したのだろう。ただ、マイケル自身はこうした質問をなおもされることに対して「信じられない」と発言しており、彼がこういった論争に巻き込まれることに嫌悪感を抱いていることが伝わってくる。