【ゼロからわかる】なぜ『呪術廻戦』はこの時代に“絶大な支持”を得るのか?

ちなみに、虎杖の同級生・伏黒恵は「俺は不平等に人を助ける」「俺達は正義の味方(ヒーロー)じゃない」、釘崎野薔薇は「助けられる人間なんて限りがあんのよ」とスタンスを語っており、それぞれにシビアな目線を持っているのが特徴的だ。

『呪術廻戦』の面白さのひとつに「刺さるセリフ」があるが、「正義の味方はこうあるべき」というステレオタイプを押し付けないキャラクター設定とも、強くリンクしている。

そもそも、敵と味方が同じく「負の感情」である「呪力」を使って戦うところも本作ならではで、善悪の単純な二元論に終わっていない。主人公だって誰かを憎んでいいし、「殺してやる」と発言してもいい。人間自体が、そういうものだからだ。

「人を正しい死に導く」と誓いながらも、その甘さを痛感し「俺が信念だと思っていたものは、俺のための言い訳だったんだよ‼」と絶望した虎杖は、旧友(とも)に背中を押され「もう意味も理由もいらない」との“領域”に到達する。

迷い、苦しみ、それでも立ち上がり生きていく。平等に待ち受ける死と邂逅する、その日まで――。『呪術廻戦』は、人間の魂の本質を真に捉えた物語でもあるのだ。

 

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