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苦しむ患者に忍び寄る、「ヤミ移植」斡旋業者の怪しい素顔を追って

臓器売買とヤミ移植の実態・その1
今の日本で臓器移植手術を行うことは難しい。家族や親戚以外の提供者を見つけるのは「砂浜に落ちた一粒のダイヤモンドを探し当てるような」ことであるから、海外での移植手術に希望を見出す患者も少なくないという。そんな患者に手術の斡旋をする極めてグレーな組織がいると、ジャーナリストの高橋幸春氏は明かす。患者の苦しみにつけこむ「ヤミ移植」業者の実態とは?

名門ラグビー部コーチを「救う会」

私がそのHPを見たのは「えひめ移植者の会」のFBだった。

慢性腎不全に陥ったOが、海外で腎臓移植を受けるための資金を「Oを救う会」(以後「救う会」)が募っていた。

「O氏を助けたい一心で、教え子である私たちが立ち上がり、支援の会を設立しました」(「救う会」代表M)

Oは体育会系の大学在学中からラグビーの選手として活躍し、U23日本代表にも選出されている。

卒業後は高校ラグビーのコーチ、監督に就任、現在は関東大学リーグ戦1部に所属し、何度も決勝戦進出を果たしているT大学ラグビー部のコーチを務める。

彼の教え子は500人以上にのぼり、その中には日本代表やトップリーガーとして活躍した選手もいるという。

T大学ラグビー部GM兼監督を筆頭に、多くのラグビー関係者が名前を連ね、支援を呼び掛けていた。

海外での「ヤミ移植」か?

Oの症状は慢性腎不全(ステージ5)で、3年前に余命8年を宣告されたという。

「それまでの生活とのギャップに何よりも心がついて行くことが出来ず、生きることを諦めてしまった時期もありました。そんな時に海外での腎臓移植の道を知り、教え子たちが今回のプロジェクトを立ち上げてくれました」(Oコーチ)

しかし、えひめ移植者の会のFB上でシェアされた「救う会」のHPに、私は強い違和感を覚えた。なぜなら、「救う会」のHPを紹介したFは、海外での臓器売買による移植、いわば「ヤミ移植」を斡旋すると思われる組織のメンバーだからだ。

かたやOは、スポーツを通じて学生の育成にあたる教育現場の人間でもある。「まさか……」というのが私の最初の印象だ。

さらに、目標支援金額1500万円を掲げているにもかかわらず、渡航先の国名、病院、移植費用の明細もいっさい記されてはいなかった。

「救う会」のHPをシェアしてから数時間後、「えひめ移植者の会」から「救う会」のHPは削除された。

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