「3億円」で出品される超レア物も!「ポケモンカード」に熱狂する“巣ごもりバブル”への警鐘

小出 フィッシャー 美奈 プロフィール

「世界でたった一つのデジタルコピー」の価値とは?

ポケモンカードであれ、ビットコインであれ、コモディティー(商品)相場は株より難しい。

その理由は、資産の「本質的価値(intrinsic value)」を見極めるのが困難だからだ。

株であれば、企業が営む事業の価値が株価の前提だという考え方が出来るので、企業が生み出すキャッシュフロー(現金の流れ)や利益、あるいは資本規模を目安にして、株が割安か割高かを判断することが出来る。

ところが、キャッシュフローを産まないコモディティー(商品)の場合は、市場価格が割高なのか割安なのかを判断する「本質的価値」の基準に欠ける。とんでもない高値に見えても、買い手さえいれば価格がついてしまう。高いのか安いのか良く分からないうちに、需給によって価格が決まる。

 

こうした例でもう一つ興味深い動きが、NFT(代替不能トークン、Non Fungible Tokens)と呼ばれるデジタル資産、例えばデジタルアートのオークションの盛り上がりぶりだ。

NFTはブロックチェーンを使って発行されるトークンだ。同じ「ブロックチェーン」の技術でも、ビットコインやイーサリアムなどのデジタル通貨は、識別子のない「ユティリティートークン」と呼ばれ、所有者の情報は分からない。一方、NFTには256ビットからなる識別子があり、メタデータによってデジタル資産の所有者を明確にすることが可能だ。

所詮デジタルなのだから、同一、同品質のコンテンツをいくらでも複製することができる。でもNFTを使えば、そのうち一つのデジタルファイルにメタデータで「タグ(札)」付けをすることによって、「たった一つのオリジナル」と識別することができるのだ。

もちろん、オリジナルとコピーで、コンテンツそのものの見分けはつかない。それに価値があると思うか、それとも馬鹿らしいと思うかどうかは、買い手次第だ。

老舗の「クリスティーズ」が3月12日に初めて手がけたNFTアートのオークションでは、デジタルアーティストBeeple氏が13年かけて作成したデジタル作品が6935万ドル(約75億ドル)で落札された。

さらに3月22日には、ツイッター創業者ジャック・ドーシー氏の最初のツイートが、約291万ドル(約3億1700万円)で落札された。

ヘンテコなのを挙げれば、謎のネコがにゃんにゃん鳴きながら虹と共に駆けていく「ニャンキャット (Nyan Cat 、1億8600万回以上再生) 」のGIF動画まで59万ドル(約6300万円)で落札されている。

不動産バブル期には安田火災が53億円で落札したゴッホの「ひまわり」が話題になったが、今はデジタルアートがバブルの担い手になっているようだ。

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