コロナ禍で遺体が見つからない…死後半年経過した風呂なし賃貸アパートの壮絶孤独死現場

菅野 久美子 プロフィール

現役世代の深刻な社会的孤立

私は長年の孤独死の取材を通じて、高齢者だけでなく、現役世代にもこの状況が当てはまると感じている。

私が訪れる孤立死の現場は、50代や40代の衰弱死や突然死が少なくないからだ。その多くが、河合さんのおっしゃる属性と似通っていて、誰にも助けを求められずに、若くして命を落とし、遺体がドロドロに溶けてしまうほどに発見が遅れる。

日本少額短期保険協会が発表した第五回孤独死現状レポートによると、孤独死の平均年齢は、61歳と若い。そして、遺体は二週間以上に渡って遺体が発見されないという現状があらわになる。その背景には高齢者だけでなく、現役世代の深刻な社会的孤立がある。

一人で亡くなることが悪いわけではない。家の中でも外でも、人が死ぬ可能性はいくらでもあるし、人は最終的には誰もが一人で死ぬものだ。しかし、一度社会からフェードアウトしたが最後、孤立を強いられ、セルフネグレクトに陥り、じわじわと蛇の生殺しのように命を繋ぐだけの生活で、若くして命を終えざるおえない社会は明らかにいびつだ。死の現場は、社会を映す鏡なのである。

 

孤独、孤立を巡って、政府がどれだけ本気に取り組むのか、まだ不明で未知数ではある。鳴り物入りでお飾りに終わる可能性も十分にあろう。

しかし、8050問題やロスジェネの高齢化などの問題が山積する現代において、社会的孤立を巡る問題が一刻の猶予もないほどに日本が深刻な状況に陥っているのは、「死をみつめる」現場の取材者として言える確かなことだ。コロナ禍の日本において、国の施策としても、そして、私たち一人一人の問題として、正面から向き合うべきときにきている、そう感じてやまないのである。

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