コロナ禍で遺体が見つからない…死後半年経過した風呂なし賃貸アパートの壮絶孤独死現場

菅野 久美子 プロフィール

1000万人が孤立状態にある

政府は今年の2月19日、孤独、孤立担当大臣が内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」を設置、坂本哲志1億総活躍担当相が兼務するという。コロナ禍において、いよいよ孤独、孤立の問題が顕在化してきたということの現れだと思う。

しかし、孤独、孤立を巡っては、コロナ禍以前から、これまでもじわじわと日本社会を蝕んでいたのは間違いない。私の試算によると、わが国では1000万人が孤立状態にあり、現に原状回復を手掛けるこういった特殊清掃業者の数は、うなぎのぼりとなっている。

2018年5月14日付の毎日新聞によると、5000社以上が加入している特殊清掃の業界団体である「事件現場特殊清掃センター」によると、民間資格である「事件現場特殊清掃士」の認定制度が始まった2013年から、その数は5年で15倍に膨らんでいる。これは、遺体腐敗するまで発見されず、放置される孤立死の件数が増え続けていることと比例している。

 

一度社会から脱落したり、つまづくと、一気に人間関係から孤立し、立ち上がれず崩れ落ちてしまう。そして遺体は長期化発見されない。その八割は前述の男性のようなごみ屋敷、不摂生などのセルフネグレクト(自己放任)だ。そんな社会が現実として、水面下で私たちのもとにひたひたと押し寄せている。

『老人に冷たい国・日本 【貧困と社会的孤立の現実】』(光文社新書)の著者である河合克義さんは、本書でこう書いている。

【不安定な仕事をしてきた人の高齢期の貧困と社会的孤立、しかし、生活態度は控えめで困難な状況にあっても助けてと言わない人、そうした人を無視した政策の展開が、孤立死・餓死を生み出してきた。】

そして、河合さんは、わが国で高齢者の貧困と孤立問題がこれほど深刻なのは、個人責任の範疇を超えた社会的背景を持つと分析している。

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