コロナ禍で遺体が見つからない…死後半年経過した風呂なし賃貸アパートの壮絶孤独死現場

今年2月、内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」が設けられた。政府は、新型コロナウイルス感染拡大のなかで深刻化する孤独・孤立問題に本格的に取り組む方針だ。

社会問題である「孤独死」だが、新型コロナによる社会不安や対人関係の変化により、さらに深刻化している。本記事では、コロナ禍における孤独死と、孤独死者と向き合う特殊清掃の現場を密着取材した。

 

コロナ禍で遺体が見つかりづらくなっている

冬の寒さが和らいで、春の兆しが感じられる3月上旬――。10年以上特殊清掃に代表される原状回復工事に従事してきた武蔵シンクタンクの塩田卓也さんは、トラックを走らせながら今日も特殊清掃現場に向かっていた。

塩田さんが手掛けるのは、他の業者も音を上げるほどの深刻な状態に陥った物件が多い。軒下まで体液が伝って土まで浸透していたり、マンションの下の階まで体液が突き抜けた物件もある。そのほとんどが孤立死だ。元大工の塩田さんにとって、コロナ禍になって、人と人との接触が制限される状況で、これまで以上に事態は深刻になりつつあるという実感がある。コロナ禍に突入してからというもの、長期間に渡り遺体が見つかりづらくなっているからだ。塩田さんは、そんな現状を誰よりも危惧していた。

特殊清掃を行う塩田卓也さん

塩田さんは、この日、死後半年以上、遺体が放置された築40年以上の風呂なし賃貸アパートに突入しようとしていた。亡くなったのは70代の男性で、布団の上にうずくまるようにして亡くなっていたという。防護服を身にまとい、匂いやハエを防御するための専用のマスクをかけ、作業にかかる。

「管理会社に聞いたのですが、警察でも、長期間遺体が放置されすぎて、死因もわからないということでした。死亡時期も不明で、ただ遺体の状況から半年以上経っているのは判明したみたいです。それだけ、故人様が人との交流がなかったということだと思う」

家賃は自動引き落としで、近隣住民との付き合いもほぼなかった。臭いだけが、男性の死を知らせる手段だったが、それでも、半年以上の時が過ぎていた。

室内はごみ屋敷で、いたるところにビニールの袋が散乱している。そして、数十年は使ったであろう布団は、茶色く変色して、凄まじい異臭を放ち湿っていた。長年に渡って使い続けたせいか、布団は破れて、所々綿が出て、部屋中に散らばっている。このボロボロの布団で、毎日男性は寝起きしていたのだ。

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