1DK高層マンションで孤独死、死後1ヶ月が経過した男性の部屋に「存在しなかった」もの

コロナ禍における孤独のリアル

今年2月、内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」が設けられた。政府は、新型コロナウイルス感染拡大のなかで深刻化する孤独・孤立問題に本格的に取り組む方針だ。

また、厚労省の発表によると、昨年1年間に自殺した人は全国で合わせて2万1000人を超え、2009年以来の増加に転じた。その背景には、新型コロナによる社会不安や対人関係の変化があるとされる。

本記事では、新型コロナ禍における孤独死の現場と、孤独死者と向き合う特殊清掃のリアルに迫る――。

 

コロナ在宅死の恐怖

「次の物件、死因は、餓死か、凍死だと思う」

寒さも本格化した今年の二月下旬、特殊清掃業者から一本のLINEが入る。

その言葉に私の心が一瞬、ヒヤッとして、縮み上がる。10年以上のキャリアを持つe-遺品整理代表の上東丙唆祥(じょうとう・ひさよし)さんからだ。

私は特殊清掃の現場に6年以上に渡って取材密着を行っている。幾度となく餓死や凍死、熱中症死、衰弱死などの凄惨な現場を訪れ、自身も清掃作業を手伝うこともある。しかし、何回聞いても、その死因である餓死や凍死という言葉に慣れることはない。

上東さんによると、手元にある死亡診断書は、新型コロナでないことを現しているという。

photo by iStock ※写真はイメージです

コロナ禍に突入した昨年から、多くの特殊清掃人たちが、コロナ在宅死を恐れるようになった。悪質な大家や、管理会社は例え住人がコロナで亡くなっていたとしても、清掃業者はめったに教えてくれることはない。近隣住民たちから、「臭い」「さっさと片づけろ」などと理不尽に罵倒されるのも日常茶飯事だ。

そうなると、自分の身は自分で守るしかない。だから、上東さんのように厳重を期す業者は死亡診断書を要求する。特殊清掃が入る孤立死の場合、警察による司法解剖が行われても、死因はほとんどが不明だ。要するに時間が経ちすぎていて、警察ですら死因がわからないのだ。これが孤独死の現状で、当然ながら現場は痛ましい状態となっている。

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