1DK高層マンションで孤独死、死後1ヶ月が経過した男性の部屋に「存在しなかった」もの

コロナ禍における孤独のリアル
菅野 久美子 プロフィール

冬に凍死という結末

ここまで生活インフラが整った日本社会において、餓死や凍死、そして衰弱死が溢れる環境に確かに私たちは身を置いている。そして、その背景には、社会的孤立の問題が横たわっている。それは、この社会での生きづらさを抱えている筆者の私自身も自分ごとで、けっして他人事ではない。

不用品回収や特殊清掃などを手掛ける株式会社グッドサービスが2021年に特殊清掃、遺品整理などの業者を対象に行った調査によると、特殊清掃の稼働時期は、夏の35.3%を凌いで、38.5%と冬が最も高いという結果になっている。この男性のように、この冬に凍死という結末を迎えた人も多くいるはずだ。

 

そして、警察がひっそりと遺体を運び出し、部屋は特殊清掃業者によって処理され、通常目に入ることはない。ピカピカにリフォームされた部屋には、また何も知らされていない住民が入る。その繰り返しだ。そうして日本社会、それでも経済活動は滞りなく回っている、ように思える。しかし、本当にそうなのだろうか。その最後を引き受ける人たちが、叫び出したくなる日本社会は、いびつで、実は水面下で沈没が始まっているのではないか。

真冬の孤立死現場は、本当に我々の社会はこれでいいのかという現実を私たちに問いかけている。

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