「恐竜のおかげで人類が繁栄した」という意外な事実をご存じですか?

「絶滅と進化」の切っても切れない関係
小林 武彦 プロフィール

もうすでに手遅れなのか?

私は生物学者としても、一人の地球市民としても、人類の活動の結果引き起こされる多様性の低下、さらにそこから引き起こされる大量絶滅は、絶対に避けるべきだと考えています。大量絶滅は、人類にとっても地球にとっても、不幸以外の何ものでもありません。人類の叡智に期待しながら、私自身も最善を尽くそうと思っています。

 

とは言っても、手遅れになるまで気がつかない可能性もあり、最悪の大量絶滅後のシナリオも考えておくべきでしょう。実際に、環境学の研究者の中には、すでに手遅れであり、環境破壊をいますぐやめても自然に元には戻れないレベルまできていると諦めている方もいます。しかし、これはもうダメだと諦めるのではなく、積極的に元に戻す努力が必要だと思います。

技術革新にも期待しつつなんとか環境破壊を食い止める努力はするとして、では次に最悪のシナリオとして、仮にこのまま大量絶滅が起こった場合、その後に地球に一体何が起きるのか――ここでは、生物学的見地に立って少し考えてみましょう。そこに死の意味を考えるヒントが隠されているのかもしれません。

過去の大量絶滅では何が起きた?

地球に多細胞生物が誕生した10億年前から、5回の大量絶滅が起こったとされています。大量絶滅が起こると、その後に生物相が大幅に変化するため、「〇〇代」という地球史の年代名(地質年代)が変わります。

例えば、種の約95%が絶滅した2億5100万年前の古生代末期ペルム紀の大絶滅の後には、大型爬虫類の恐竜が誕生し、「中生代」が始まりました。中生代には小型の哺乳類、鳥類も誕生して、現存する生物の基本型がこの時期に揃いました。

恐竜の想像図(photo by iStock)

また、もっとも最近に起こった大絶滅は6650万年前、中生代末期白亜紀です。生物種の約70%が地球上から消えたとされています。恐竜も絶滅したのでご存じの方も多いと思います。当時のことを、あくまでも推定ですが、少し詳しく見て参考にしてみましょう。

大絶滅の原因は、メキシコ、ユカタン半島に落ちた巨大隕石と言われています。そのときの様子は、このように考えられています。

衝突の影響で大規模な津波や火災が発生。急激に地球の環境が変化しました。粉塵や有毒ガスが大量に発生し、数ヵ月から数年にわたって黒い雲が空を覆いました。気温も下がりました。降り注ぐ雨は酸性化し、川に海に大地に容赦なく降り注ぐ―その結果、まず植物が減り、大量の食料を必要とする大型の恐竜や昆虫などが死んでいきました。

そして次に温暖化が進み、さらに多くの種が絶滅に追いやられたのです。

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