東京を歌った名曲の数々…なぜきのこ帝国の「東京」は特別なのか

佐藤千亜妃×カツセマサヒコ(1)
現代ビジネス編集部

佐藤:すごくひねくれてますよね……(笑)。すでに存在する作品へのカウンターを作らなきゃと頭でっかちになっている中で曲と詩を書いて、バーっと歌ってみたらいい感じだったんです。《日々あなたの帰りを待つただそれだけでいいと思えた》って歌い出しも平和な描写じゃないですか。シティ感でも寂しさでもない、今まで歌われてこなかった東京の側面を、自分の体験した感情としてアウトプットできました。

カツセ:だから僕はきのこ帝国の「東京」をフラットだと感じたんですね。

 

佐藤:自分がイメージしていたことが伝わっていて嬉しいです。東京も誰かの地元だし、情報が多い街だし、いいところもたくさんある。だから、敵対視はしていない感じが伝わればなって。

カツセ:ああ、わかります。僕は東京出身(杉並区)ですが、これまでの「東京」という曲の中で、一番自分の感覚に近いと感じました。井の頭線沿い、といっても住宅街で育ったので、未だに六本木とかスクランブル交差点とかに行くと、テンション上がるんです。そういう自分にとって、きのこ帝国の「東京」は地元の曲として聴けたという感覚がありました。

佐藤:これまでは、田舎者が聴く「東京」もしくはシティーボーイが聴く「東京」しかなかったので、どちらの人も聴けたらいいなと思って作りました。そうじゃないと、「東京」という歌が、みんなのものにならないなと。今まで一度も局所的にウケるものを作りたいと思ったことがないんです。どこかで誰かが聴いたときに、常に何か引っかかる曲であってほしいと思っています。

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