ちょっとはみ出した、面白い大人を紹介したい

目の前の小泉さんは、紛れもなく「カッコいい大人」だ。いろんな本を読んで、いろんな人に出会って、いろんなことに驚いて、傷ついて、いろんなことを吸収して、その中で精査したものを蓄積させて、今は、そのエッセンスを後進に手渡したいと思っている。

「自分が10〜20代の時って、大人になるのが怖かったり、嫌だったりしたじゃないですか。当時は、すごく複雑な気持ちでそこに立っていたと思うんです。楽しいことや嬉しいことが、辛いことと同じぐらい訪れても、不思議と心の大部分を占めていくのは、ネガティヴな感情ばかりで。だからすごく憂鬱だったりして、ずっと頭の上に黒い雲がいるような感覚――。私もそんな時期があったし、今10〜20代で、そんな状況に置かれている人も多いと思う。

でもそういう中で、バカな大人とか、面白い大人と出会うと、少し気がラクになりますよね。『え、こんなにデタラメでもいいんだ!』とか(笑)。『大人でも、“アイドル好き!”って公言しちゃうんだ!』とか。いわゆる世間のモノサシに囚われずに生きている人に出会うと、『すごい、カッコいい!』ってなる。そうですね、だから、自分も含めて、そういうちょっとはみ出した、面白い大人を紹介したい気持ちはあるかもしれない」

小泉さんは、自分がなぜ生まれて生きているのかを考えたとき、「大きな役割でいうと“過去と未来を繋いでいくこと”なんだろうな」と思うのだとか。

「結婚して、子供を産んで育てられている人は、血を繋げていくことができている。でも、それをできなかった私は、せめて文化とか、想いとか、何か別のことを繋いでいかなければならないのでは、と思ったりすることが多いです。お父さんとお母さんができないことをできたらいいな、と。

私の甥や姪は、もうみんな30過ぎているんですけど、思春期の頃に、『お、ここはおばさんの出番かな?』と思ったことが結構あって。たとえば『学校を辞めたい』と言って親を困らせても、ヘンな仕事しているおばさんに『なんかあった?』って聞かれると、本音を話してくれたり。一族に一人いますよね、そのポジション。私は、ある意味世間的にも、そのポジションを勝ち取っているのかもしれない。だから、我々の強みは、『ヘンなおばさん』『ヘンな大人』みたいなところに立っていることなんです。そして、時々必要とされる(笑)」

撮影/山本倫子

ところで、そんなちょっとだけ不良の香りのする、面白くてカッコいい小泉さんには、最近、本を読むときの理想のシチュエーションがあるらしい。

「私、朝がすごく早いんですね。初老なんで(笑)。目覚ましをかけなくても6〜7時には絶対目が覚める。朝の10時には家を出るんですが、その出社するまでの時間は、ほとんど何の連絡も来ない自由な時間。そこで、バスタブにぬるめのお湯をためて、読書をするのが最近の理想の読書環境です。うちのお風呂は、片側の壁がガラス張りになっていて、そこから自然光が入る。夜だと、小さい文字は老眼鏡をかけても読みにくいけれど、朝風呂での読書は自然光だから文字も読みやすいし、本が面白いと、ゆっくりお風呂にも使って汗もかいて一石二鳥! さっきも言いましたけど、水瓶座は、一石二鳥に目がないんです(笑)」

4月5日よりSpotify にてスタート!「本」を入り口としたポッドキャストのトーク番組「ホントのコイズミさん