保育園の園長先生が教えてくれた「置き換え」

そんな悩みを保育園の園長先生に打ち明けると「ひとつひとつ、捉え直してみよう」と言われた。

「順番が守れないのは、それを早くやりたくてたまらないんだよね。意欲があるとも言えるよね」
「すぐけんかになったり、噛みついたりするのは、エネルギーがある証拠だよ」
「滑り台が滑れないのは、慎重で注意深いってことだよね。初めて出会うものを警戒するのは悪いことではないよ。一見してわんぱく小僧だけど、感受性が強いんだなと思うところもある。感受性が強いということは、他の人の気持ちがわかるようになるってことだよ」

息子の短所は、園長先生というフィルターを通すと、どんなことも長所に変身していった。この「置き換え」は、どうやら「リフレーミング(reframing)」というものらしいと後になって知った。
リフレーミングとは心理カウンセリングで使われる方法のひとつで、コミュニケーション心理学の考え方。物事を見る枠組み(フレーム)を変え、別の枠組みで見直すこと(リフレーム)を意味する。つまり「視点を変える」わけだ。

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「水が半分しか入っていない」「半分も入ってる」

リフレーミングの有名なたとえに、「水が半分くらいまで入ったコップ」がある。

ひとつのフレームの視点だと「半分しか入っていない……」とネガティブに感じる。
もうひとつのフレームの視点だと「半分も入っているじゃないか!」とポジティブにとらえられる。

このように視点を変えることで、物事の感じ方や気分が大きく変わる。そのことはその後の取り組みにも大きな影響を及ぼす。

このコップの水の量を「半分しか」と取るか「半分も」と取るか。それだけで大きく気持ちも変わってくる Photo by iStock