席を空け始めた男性たち

この春、大きな動きがあった。東京大学の執行部の過半数が女性になった。国公立の総合大学で執行部の過半数を女性が占めるのは非常に珍しく、それが東大で真っ先に実現したことは、他の大学に与える影響も大きいだろう。

東京大学が真っ先に実現したことは大きな意味を持つ Photo by iStock
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このように男性が席を空けられればいいが、一つの策として、全体の数を増やすことで女性比率をあげるというやり方もある。

森元会長の後任として、五輪組織委員会会長になった橋本聖子さんは、組織委員会の女性比率4割を掲げて実行に移した。その際男性を外すのでなく、理事の定数を増やすという方法をとった。企業の場合、役員の人数変更は簡単ではないだろうが、男性の納得を得られるまで何も変えられないよりは、まずは全体の人数を増やして女性を起用するという方法は時限的にはアリだと思う。

最近では自ら席を譲り始めた男性もいる。uni’que社長の若宮和男さんは、2020年7月に「ジェンダーギャップなイベントの登壇をお断りすることにしました」(COMEMO)と宣言し、大きな反響を呼んだ。女性登壇者が比率が25%以上でないイベントの登壇は辞退するとしたのだ。

決断の背景を、若宮さんは自分が登壇することで日本のジェンダーギャップが解消しない方向に加担していたと気づいたからだという。自分が登壇しないことで、女性に登壇機会が回るのであれば、ジェンダーギャップ解消に一歩でも近づくのではないかと。少しでも多くの男性が席を空けること。それを自覚することがジェンダーギャップ解消の近道なのだと思う。

すべて「同じ色」だったパズルに別の色が入る。別の色の数だけ「同じ色」の数は減るのは当然のことだ。その問題を自分の近くで大切にできるのか――それがジェンダーギャップを埋めるひとつの大切な要因になってくる Photo by iStock