本気でGAFA解体へ…バイデン政権「反独占最強布陣」とその思想

「ネットの中立性」は実現できるか
中岡 望 プロフィール

伝統的な民主党路線との決別

カーン教授、ウー教授の登用は、同じ民主党政権のオバマ政権と決定的な決裂を意味する。オバマ政権は、ビッグ・テック企業と民主党の連合を志向した。オバマ政権時代の企業合併の数は過去最高を記録している。この時代にビッグ・テック企業が合併や買収で企業規模を拡大し、市場を支配するようになった。だが同じ民主党のバイデン政権は、反ビッグ・テック企業路線へ転換することを明らかにしている。

ホワイトハウスは、現在、反トラスト法を改正、強化する作業を進めていると伝えられている。下院司法委員会は、昨年、ビッグ・テック企業に関する調査を行っているが、今年2月に第2回目の調査を始めている。議会は調査や公聴会を通してビッグ・テック企業の外堀を着実に埋め、反トラスト法強化を狙っている。

民主党のエド・マーキー上院議員は、「ネットの中立性」に関する法案を提出する意向を明らかにしている。民主党の反トラスト政策はバイデン政権のもとでイデオロギー的に大きな転換を示している。

 

民主党と共和党で超党派の動きも

反ビッグ・テックの規制に関しては共和党も前向きだ。ただ民主党がビッグ・テック企業の市場独占という観点から批判しているのに対して、共和党は選挙でトランプ大統領や共和党に不利に働いたという政治的な観点から規制強化を主張している。

呉越同舟ではあるが、両党ともビッグ・テック企業に対して規制強化を求め歩調を合わせる可能性がある。ただ共和党内にもビッグ・テック企業の分割に異論を唱える議員も多く、民主党内では反トラスト法の大規模な改正よりも、小さな法案を積み上げることで共和党議員の支持を得ようとする動きもある。

具体的な法案としては、FTCの予算を増額し、調査能力を高め、ビッグ・テック企業の企業合併や買収に際して厳しい基準を導入することが予想される。AmazonやFacebookに加えて、マイクロチップなどコンピュータ部品を製造販売しているBroadcom社も反トラスト法の適用対象になる可能性が強い。

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