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国会議員秘書は見た! エリート議員と叩き上げ議員の力の差はここに出る

『プロ秘書だけが知っている永田町の秘密』(1)
その言動がますます厳しく見られるようになっているのに、コロナ禍でも政治家は会食をやめない。ある著名政治記者が「政治家は会食するのが仕事」とテレビ番組で発言したところ、視聴者から質問が殺到したという。たしかに一般の感覚からは、そういう疑問を持たれるのは当然だろう。本当に会食しないと政治家は仕事にならないのか。政治家のことは秘書がいちばんよく知っている。長年、国会議員秘書を務めている畠山宏一氏の著書『プロ秘書だけが知っている永田町の秘密』(講談社+α文庫)でイチから教えてもらおう。国難のときこそ政治家の仕事が重要なのだから。

朝八時、議員は「部会」に名刺を置きまくる

国会議員の朝は早い。平日は朝八時に自民党本部に集まり、「部会」に参加するのが仕事のスタートだ。部会とは、さまざまな分野について国会議員同士で議論する場である。外交部会や国土交通部会など、テーマの異なる十四の部会があり、自民党本部で毎朝開かれている。

参加する部会は、自由に選ぶことができるため、自分が将来進みたい分野や支援団体に関連する部会を選ぶのが普通だ。部会は掛け持ちで参加することもでき、議員本人だけでなく秘書も部会に参加することができるため、議員と秘書で手分けして部会に参加する。さらに参加したい部会があれば、途中で切り上げて、次の部会にも顔を出すという流れになる。

ここで忘れてはならないのが、議員本人の名刺を部会の開かれている部屋に置いていくことだ。部会の出席回数は、政治活動の積極性を示すものと見られ、自民党の中で将来の人事に影響するため、いかに多くの部会に参加し名刺を置けるかという勝負になる。

 

日々の部会のテーマは、関連する省庁の役人が設定し、当日の進行も役人からの三十分程度の説明からはじまる。説明が終われば、そこから議員を交えての質疑応答だ。

部会にかけられた案件は、その後、法案につながるような重要なものもあるが、実は、部会の議論で反対意見が出たとしても、変更が加えられることは、ほとんどない。というのも、部会で取り上げられる案件は、すでにベテランの族議員と役人の間で大枠の方向性が決められているからだ。

そういった意味で、「部会なんて、若手のガス抜きだよ」と言うベテラン議員もいる。若手議員に言いたいことを言わせて、早いところ終わらせたいというのが彼らの本音のようだ。

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