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「年率6.5%」の超高利回り株なのに、JTの株価が下がり続けるワケ

60万人の個人株主を乗せた巨船の弱点

巨額の利益を確保しているのに…

知る人ぞ知るという話ながら、JT(日本たばこ産業)株が中長期スパンで、下値模索を続けている、足掻いている。

図表1   出所:Yahoo ファイナンス(2021年3月28日)よりJ’s PR加工

図表1は、Yahooファイナンスから取ったJT株の10年スパンの株価のチャートになるが、これを見ると、JT株が2016年からずっと下がり続けていることが分かるだろう。この間の最高値は2016年2月1日の4,850円、それが2020年7月31日には1,796円と2,000円を割り込んで最安値を付けている。

下落幅は約63%、半値すら割り込む価格だ。さすがにその後、株価は2,000円台まで持ち直したが、2021年2月9日の通期決算発表を受けて、一時再度2,000円を割り込み、やっと3月中旬から持ち直して再度2,100円近辺で推移しているものの、下値模索が続いている。図表2は同じ期間の日経平均との比較になるが、このチャートを見ればJT株の苦境が鮮明だろう。

図表2  出所:Yahooファイナンス(2021年3月28日)よりJ’s PR加工

 

株価は究極的にはファンダメンタルズと呼ばれる企業の業績を映し出す鏡と考えられる。それでは、JT(日本たばこ産業)の業績はこの5年でそこまで悪化したのだろうか?

実際に業績を追いかけてみよう。図表3が、有価証券報告書から数字を拾った、JTの過去5年の売上高と純利益の推移をグラフ化したものだ。

図表3  出所:日本たばこ産業 有価証券報告書よりJ’s PR作成

これを見ると、確かに株価のバリュエーションを考える上で最も重要な利益とされる純利益は、下落傾向にあるのは否めない。しかし、その下落率は約36%であり、株価の下落率と比べると、相対的には穏やかなものだ。

それに2020年12月期の純利益3,120億円については、今でもなおこれだけの巨額の利益を確保していること自体、もっと積極的に評価されるべきではないか、という数字である。

また、全ての利益の源泉となるトップライン、売上高については、グラフでの切り取り方の問題もあるが、高い水準で横這っている。

こうして見ると、業績要因だけでJT株のこの5年の低迷を説明することには無理がある気がする。

では、なぜJT株はここまで低迷しているのだろうか。

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