大日向雅美さん

「周りの子はできるのに…」 両親が陥る“比べる病”の「原因」と「処方箋」

子ども同士の比較がNGなワケ

ママ友がSNSに投稿した動画。5歳くらいの女の子がグルグルと空中逆上がりをしている。うちの子と同世代のその子は運動神経が抜群で、スキーもスイスイ滑れることを、SNSを通じて私は知っている。心が少しザワザワした。「あの子に比べてうちの子は…」、そんな思いがわずかに胸をよぎった。

こんな風に、つい自分の子どもと周りの子どもを比較してしまう親は少なくないように思う。このザワザワをどう処理すればよいのだろう。40年以上にわたって母親の育児ストレスや育児不安について研究している恵泉女学園大学の大日向雅美 学長に聞いた。

大日向 雅美(おおひなた・まさみ)
1950年、神奈川県生まれ。恵泉女学園大学学長。東京都立大学大学院博士課程満期退学。学術博士(お茶の水女子大学)。専門は発達心理学。1970年代初めのコインロッカー・ベビー事件を契機として母親の育児ストレス・育児不安を研究。NPO法人あい・ぽーとステーション代表理事として地域の子育て・家族支援にも注力。国の少子化対策・子育て支援の各審議会委員を務めると共に、NHK『すくすく子育て』などのメディアでも活躍。NHK放送文化賞・男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰・エイボン教育賞などを受賞。
 

“比べる病”の正体は

──子どもの成長を他の子と比較してしまうのはよくあることですか。

幼少期の個人差って「歩けるようになった」「オムツが取れた」「発語がある」「ひらがなが読める」など、わかりやすく「見える化」できることが多いですよね。子ども同士の成長の差が明確になるので、パパやママたちが比較しやすいのです。

でも、子どもが小さいうちの悩みはそこまで深くないと私は思っています。たとえば「オムツが取れない」という悩みに対しては、発達曲線をもとに「このくらいの幅がある」とか「あくまで育児書の中で書いてあるのは平均値で、早い子と遅い子では6ヶ月ぐらいの差がある」とデータを示しながら説明できることが多いのです。

長年、悩める先輩ママと、それに対する専門家たちがやり取りをしてきたので、多くの悩みとその回答の雛形ができています。

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