「フェミニズム叩き」「女性叩き」で溜飲を下げても、決して「幸せにはなれない」理由

弱者男性論とは何か

インターネットの世界には「弱者男性論」と呼ばれる議論が存在する。弱者男性論とは、その名の通り、自分が「弱者」であると自称する男性たちが、自分が感じているつらさや苦しみを訴えて、自分たちの境遇の改善を求める議論だ。

典型的な弱者男性論者とその読者(以下、あわせて弱者男性論者と呼ぶ)は、自分たちのことを「非モテ」や「キモくて金のないおっさん」と自嘲的に表現する。そして、彼らが言う「つらさ」の内実とは、経済的な困窮に関するものである場合もあるが、大半においては「女性」が関わるものだ。

弱者男性論者は、「自分には経済的能力がなく、またコミュニケーション能力にも欠けており外見的な魅力がないから、ガールフレンドや妻を得ることができない」と自己認識したうえで、異性のパートナーがいないことで生じる孤独感や承認の欠如などのつらさを訴えている。

〔PHOTO〕iStock
 

弱者男性論の特徴のひとつは、自分たちのつらさが世間から無視されているという点を強調することにある。彼らは、「左翼」や「リベラル」は女性や性的マイノリティ、外国人や子どもや動物などわかりやすい弱者には配慮する一方で、健常な成人男性が抱えている苦しみのことには気にもかけない、と指摘する。

また、弱者男性論者たちは「かわいそうランキング」や「お気持ち」という言葉を好んで用いる。リベラルが女性やマイノリティのことを気にかけるのは、マジョリティの男性よりも彼女たちのほうが「かわいそう」という感情を他人から惹き起こすことができるためであり、リベラルたちは口ではどんな理論的な言おうともほんとうは不合理な「お気持ち」にしたがって救済や配慮の対象を恣意的に選択している、と彼らは主張する。

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