2021.06.12
# 内燃機関

1969年の今日、日本初の原子力船「むつ」が進水…科学この日なんの日

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

鳴り物入りで導入された原子の灯、さえも

1969年の今日(6月12日)、日本初の原子力船「むつ」が進水しました。

核分裂によってエネルギーを得る原子炉を搭載した船は、軍艦や空母を除けば数少ないものです。「むつ」は全長130.46m、総重量8242トンの観測船として生まれ、軍事利用されない原子力船としては世界で4番目に就航しました。実験という任務と同様、「むつ」には平和国家としての日本の歩みをアピールすることが期待されました。

ところが、原子炉が初めて臨界に達した直後の1974年9月1日、「むつ」の船内で放射線漏れが発生しました。結果的に漏れ出した放射線量はわずかでしたが、原爆投下や第五福竜丸事故などの記憶が生々しかった当時、「むつ」に対する大規模な反対運動が起こりました。母港のあるむつ市の地元漁師らの抗議により、「むつ」は佐世保などをたらい回しにされ、順風満帆とは言えない経歴をたどりました。

そのような状況にあって、「むつ」は試験航海や出力上昇実験などを行い、1992年の運用終了まで地球2周分の距離を原子力で航行しました。現在はむつ科学未来館で操舵室や原子炉室などが公開され、その歩みを伝えています。

Photo by Getty Images

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