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うっかり忘れてしまった実験でノーベル賞…ロビン・ウォレン博士の大発見

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

自分が実験台となったノーベル賞

1937年の今日(6月11日)、ピロリ菌を発見したオーストラリアの医学者ロビン・ウォレン(Robin Warren、1937-)が誕生しました。

オーストラリア南部の都市・アデレードで生まれたウォレンは、キャリアの大部分を西オーストラリア大学と王立パース病院で過ごしました。1983年、彼はパース病院の同僚バリー・マーシャルとともに、胃炎状態の胃の中に生息するピロリ菌を発見しました。

ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)」といい、「螺旋の細菌」と「胃の幽門(出口)」という意味の言葉を組み合わせた名前です。

彼らがピロリ菌の培養に成功したきっかけは、ある失敗でした。

菌の培養はある程度の時間が経過したところで菌の数を確認し、増殖が成功しているかどうかを確認します。彼らは一般的な実験と同じ48時間を基準として実験を行っていましたが、なかなか増殖に成功しなかったのです。

あるとき、彼らは培養実験を行っていることを忘れそのまま休暇に入ってしまったのです。それから5日後、休暇から戻った彼らが培養器を確認したところ驚くべきことに培養が成功していたのです(その後、ピロリ菌の培養には4日間が必要だと判明しました)。

ピロリ菌が胃炎の原因になることを確かめるため、マーシャルは実際にピロリ菌を飲み込んで胃炎ができるかどうか確かめました。そして10日目に胃炎が起こり、マーシャルは苦しみながらも実験成功に微笑んだのでした。

ウォレンとマーシャルの2人は、ピロリ菌発見の功績により2005年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

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