海王星と地球の大きさの比較 Photo by: Photo 12/ Universal Images Group via Getty Images

海王星はどのように発見されたのか?…計算によって割り出された「新惑星」の位置

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

未知の惑星の名前は何?

1812年の今日(6月9日)、海王星を発見したドイツの天文学者ヨハン・ゴットフリート・ガレ(Johann Gottfried Galle、1812-1910)が誕生しました。

ドイツ・ヴィッテンベルク州に生まれベルリン大学で天文学を学んだガレは、新設されたベルリン天文台で天文学者・エンケの助手として働きました。彼は土星の小さな環や新しい彗星を発見するなど、順調にキャリアを積んでいきました。

ガレは同時代の天文学者ユルバン・ルヴェリエ(Urbain Le Verrier、1811-1877)と手紙のやりとりをしており、天王星の軌道が時々計算と食い違うことについて不思議に思っていました。ルヴェリエは未発見の惑星に動きを乱されている(「摂動」という現象)のが原因ではないかと推測し、計算によって惑星が位置すると思われる領域を割り出しました。

その領域を実際に観測してほしいというルヴェリエ頼みをガレは引き受け、弟子のダレストとともに夜空の観測を行ったのです。そして1846年9月23日、彼らはまさにルヴェリエが計算によって導き出した位置にその惑星を発見したのです。

ガレとルヴェリエによる発見ののち、じつはこの新惑星をイギリス・グリニッジ天文台のジェームズ・チャリスも約1ヵ月前に観測していたことが明らかになりました。しかし、チャリスはその天体が新惑星であることに気が付いていなかったのです。さらに歴史を遡れば、ガレの発見より200年以上も前にガリレオ・ガリレイによって描かれた星図にもこの天体は描かれていました。ガリレオはこの天体を「惑星」と認識していたわけではなく、数多く存在する「恒星」のひとつだと思っていたようです。

ガレとルヴェリエが新惑星を発見できた理由は単なる幸運ではなく、誤差が1°以内という驚異的な精度の予測と、惑星とそのほかの恒星の動きを見分ける観測技術の高さによるものだったといえるでしょう。

この新惑星については「ヤヌス」「オケアノス」「ルヴェリエ」「ハーシェル」など様々な名前が提案されましたが、ギリシャ神話の海の神からとった「ネプチューン(海王星)」に落ち着きました。

ボイジャー2号によって撮影された海王星

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/