2021.06.07
# 航空機

世界初のジェット機を発明!ルーマニアの航空工学者コアンダをご存じか?

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

世界初のジェット飛行機を開発

1886年の今日(6月7日)、世界で初めてジェット機を製作したことで知られる航空工学者アンリ・コアンダ(Henri Coanda、1886-1972)が誕生しました。

ルーマニア軍の将軍であり数学教授でもあった父のもとに生まれたコアンダは、軍学校で兵器の構造や技術に触れるうちに航空機への関心を高めていきました。軍学校を卒業したのち、コアンダはフランス・パリに留学して航空工学の研究に取り組みます。

コアンダは知識を吸収するだけでなく、実験によって新たな法則を見い出すことにも長けていました。彼は風洞と呼ばれる、人工的に気流を発生させる装置を開発して、より浮かびやすい飛行機の翼の形状を考えました。

1910年には、世界初の実験用ジェット飛行機である「コアンダ=1910」を製造して世間を驚かせました。ジェット飛行機が本格的に研究・実用化されるようになるのは1940年代のことであり、コアンダの研究がいかに先進的であったかが窺い知れます。

コアンダ=1910

残念ながら「コアンダ=1910」は地上テスト中の事故により飛行前に大破してしまいました。しかし、コアンダは転んでもただでは起きず、事故の模様から何か発見できないかとデータを総ざらいしました。そして、事故の最中に燃焼ガスが機体に沿って流れていた様子から、粘性流体噴流(ジェット)が近くの壁に引き寄せられるという現象を発見しました。この現象は現在「コアンダ効果」と呼ばれ、飛行機の翼の上に噴流を流すことで揚力を得る「境界層制御」という技術に応用されています。

Photo by Dmitri Kessel/The LIFE Picture Collection via Getty Images

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