スタジオジブリ公式サイトより

ジブリのハウル、“超美形な王子様”だけど「ポンコツ」という不思議な魅力

パズーやアシタカとは決定的に違う

全世界が惚れた「美形キャラ」

アニメに登場する美しい容姿の男性キャラクター―「美形キャラ」―のファンダムは、1970年代以降、日本では拡大の一途を辿ってきた。しかし、20世紀の宮崎駿アニメは、基本的には「美少年・美形キャラ」とは縁遠かった。

『未来少年コナン』(TVシリーズ、1978) のコナンから、『天空の城ラピュタ』(1986)のパズーを経て、『もののけ姫』(1997)のアシタカに至るまでの少年主人公たちは、「三枚目」とはいえないとしても、典型的な「美形キャラ」とは明らかに異質な、間隔がやや開いた目、太い眉、丸顔にデザインされている。

『天空の城ラピュタ』のシータ(左)とパズー(スタジオジブリ公式サイトより)
 

しかし、2001年の『千と千尋の神隠し』には、突如として、サラサラの長髪にハイライトの目立つ大きな瞳、あごの細いシャープな輪郭の、「美少年キャラ」と言えるハクが登場した。とはいえ、一見したところ10歳前後の子どものハクは、もっぱらティーンエイジャー~20代の青少年として設定される「美形キャラ」の典型からは若干外れていた。

『千と千尋の神隠し』のハク(スタジオジブリ公式サイトより)

ところが、その次作となる『ハウルの動く城』(2004)のハウルは、長髪と濃いまつ毛の中性的な顔立ち、すらりとした体格、華美な服装と、当時の日本の商業アニメーションのスタンダードからみても、間違いなく完全な「美形キャラ」だった。

『ハウルの動く城』のハウル(スタジオジブリ公式サイトより)

さらに、翌2005年の全米公開に際しては、ハウルの声優にはクリスチャン・ベイルがキャスティングされ、「アニメーション史上最もハンサムな男性キャラクター」と報道された。日本では後発の美形キャラとして登場したハウルは、2000年代初頭に宮崎駿/スタジオジブリ作品が海外市場を席巻するに伴い、海外の多数のファンに、「アニメの美少年・美形キャラ」を本格的に認知させる役割を担った。

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