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インドネシアでキリスト教徒への「自爆テロ」発生…実行犯は夫婦だった

「家族自爆」という独善の系譜

「パームサンデー」のミサ終了直後に

インドネシア・スラウェシ島南スラウェシ州の州都マカッサル(旧名ウジュンパンダン)で3月28日の日曜日、キリスト教会でキリスト教徒信者を狙ったとみられる爆発事件が起きた。

目撃者などによると、爆発はオートバイに乗った2人組が教会の敷地内に入ろうとしたところ、教会の警備員に呼び止められ、侵入を果たせずその場で所持していた爆弾を爆発させたもので、地元南スラウェシ州警察などではテロリストによる「自爆テロ」事件として捜査を進めている。

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コロナ禍でインドネシア中が感染拡大防止対策、さらに感染阻止の切り札となるワクチン接種を官民が一致して進めている最中に再び起きた「自爆テロ」事件は、インドネシア国民に改めて「今そこにある危機」としてのテロを再認識させるとともに、4月12日前後から始まり約1カ月続くイスラム教徒の重要行事である「断食(プアサ)」を前に社会全体の緊張感を高める結果となっている。

加えて、今回の自爆テロ犯がイスラム教テロ組織「ジェマ・アンシャルット・ダウラ(JAD)」のメンバーとみられており、JADは過去にもスラバヤやフィリピン南部で自爆テロ、それも子供を道ずれにした家族や夫婦による自爆テロを実行している組織であることも国民の警戒心と恐怖心を煽る結果となっている。

国家警察や警察の対テロ特殊部隊「デンスス88」などによると、現地時間28日午前10時半ごろ(日本時間同11時半ころ)、マカッサル市内カジャオラリド通りにあるカトリック教会である「カテドラル教会」の道路に面した入り口付近で大きな爆発音が周囲に鳴り響いた。

道路に設置された監視カメラ(CCTV)がとらえた爆発発生時の映像には数台の車両が教会前を通過し、数人が歩道を歩いている時に突然閃光と白い爆風が画面いっぱいに広がる様子が映し出されている。

この映像は地元テレビ局などが繰り返しニュースで放映。また地元メディアやネットのニュースでは爆発でバラバラになった自爆犯の遺体や男性の頭部をモザイク付きで伝えるなど悲惨な状況も流れ、国民の間に爆弾テロの恐ろしさを改めて伝えた。

教会関係者などによると「カテドラル教会」では28日、キリスト教の復活祭前の聖週間初日にあたる「パームサンデー」のミサが行われており、ちょうどそれが終了して参列した信者らが出口に向かおうとしていたところで自爆テロが起きたという。

 

この爆発で自爆犯2人が死亡、教会の警備員や教会関係者、信者など少なくとも20人が負傷してマカッサル市内の複数の病院で手当てを受けているという。

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