銀行には大量の決済データがあるが、これまで利用されていなかった。このデータにIT企業などがアクセスできるようにして、新しいサービスを提供しようという「オーブンバンキング」が、イギリスやEUで、そして日本でも進められている。その成果は、日本ではまだ目に見える形にはなっていないが、将来に向けて大きな可能性を持っている。
現金で支払いがなされると、記録が残らない。しかし、振り込みや口座引き落としなどが銀行を通じて行なわれれば、大量のデータが銀行に残る。
銀行には、もともと大量のデータがあったのだ。しかし、銀行は、このデータをこれまで活用してこなかった。これは、日本だけのことではない。どの国でも似た事情だった。
その理由として、銀行が規制産業であり、認められていた業務が限定的だったため、データを活用したサービスを提供しにくかったことが挙げられる。
しかし、ビックデータの重要性が認識され、アリペイの信用スコアリングなどの成功例が明らかになるにつれて、銀行が持つデータの重要性が認識されるるようになった。